賓陽作戦

賓陽作戦

賓陽作戦（ひんようさくせん）は、1940年1月28日から2月13日までの間、日中戦争の最中に広西省南寧近郊で展開された重要な軍事行動です。この作戦は、南寧を奪還しようとする中国軍に対抗するため、日本軍第21軍が攻撃を仕掛けたものであり、中国側では桂南会戦と呼ばれています。

背景

1939年12月、日本軍は南寧を占領しましたが、これを取り戻そうと中国軍は約25の師団を投入して攻勢を開始しました。特に、崑崙関に対する攻撃が激しく、日本軍第5師団は厳しい状況におかれました。このため、主力の第21軍は広東省での「翁英作戦」を中止し、南寧方面へ急遽部隊を転用することとなりました。蔣介石も自ら指揮を執り、作戦を推進しました。

1月7日から13日にかけては、中国軍は海上輸送で兵力を移動させ、必要な物資を南寧へ集積しました。また、日本軍は中国軍の妨害を排除し、作戦前に十分な準備を整えることができました。賓陽作戦の主な目的は、南寧で集結した敵軍を賓陽周辺で殲滅することでした。

参加兵力と経過

1月28日、日本軍は賓陽付近の敵に対して攻撃を開始しました。台湾混成旅団、歩兵第21旅団、近衛混成旅団などが、山岳地帯に布陣している敵に向かって進軍しました。29日には八唐の歩兵第9旅団も攻撃に加わり、中国軍を挟撃しました。近衛混成旅団は敵を撃破しつつ中国軍の背後を遮断するため進撃を続けました。

その後も細かい戦闘が続き、2月1日には日本の航空隊が中国の重要施設を攻撃。これにより中国軍の指揮系統が混乱し、戦力が低下しました。2月2日には近衛混成旅団が賓陽へ突入し、第18師団も敵の退路を遮断しました。この日に賓陽周辺では中国軍が包囲されることになり、攻勢が続きました。

結果と影響

賓陽作戦は短期間でありながら大きな戦果を上げ、日本軍は数多くの敵兵を捕虜にし、また戦車や砲器を奪取しました。特に、賓陽からの攻撃により中国軍は大きな損失を被り、遂に総計25の師団が包囲され、戦力を失う結果となりました。日本軍の戦死者こそあったものの、全体的に見ると賓陽作戦は成功したと言えます。

作戦後、蔣介石は戦況を反省し、関与した指揮官に厳しい処罰を下しました。また、賓陽作戦によって日本軍は南寧の確保に成功したものの、以降中国側が新たな補給ルートを確保することで、その占領の価値が次第に薄れていくことになりました。最終的に、南寧は1940年11月に放棄されることとなります。賓陽作戦は、日中戦争における大きな転換点の一つであり、両軍にとって重要な教訓を残しました。

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