質疑

質疑とは

質疑とは、議会の本会議や委員会において、議題に関する提案者や関係者に対して、議員が口頭で質問を行う手続きです。この質疑の目的は、提案された問題について説明を求めたり、理解を深めたりすることです。質問とは異なり、質疑は議題に関連することのみが許可されており、議事が進行中の特定のテーマにおいて行われます。

質疑の相手

質疑を行う際の相手としては、提案者に加え、説明のために出席した理事や委員長報告を行う委員長、少数意見の報告者、そして修正案を提出した者が含まれます。質疑の対象に関しては議題の範囲内であることが求められ、議事の進行に関連性のない質問や発言は制限されています。

日本の国会における質疑

日本の国会では、質疑は議会において口頭で行われるものであり、この形式は国会における質問が元々文書で行われることに由来しています。国会の質疑には、議案が本会議で審議される際に行われる代表質問があり、これは主に各会派の代表が内閣総理大臣に対して行う重要な質疑の場です。

質疑にはいくつかの種類があります。特に重要なのが「基本的質疑」で、これはかつて「総括質疑」と呼ばれていたものです。この質疑は、予算に関する政府の四つの演説後や法案に対する趣旨説明を経て行われます。また、予算委員会における基本的質疑は、内閣総理大臣および全閣僚の出席が義務付けられ、テレビやラジオで全国放送されることもあります。

他に「一般的質疑」や「締めくくり質疑」という形式があり、これらはそれぞれ異なるタイミングで行われます。一般的質疑は、特定の議案に関して担当閣僚が出席する形で進められ、締めくくり質疑は委員会における最終段階で行われ、ここでも内閣総理大臣および閣僚の出席が求められます。委員長による質疑の終了宣言後に採決が行われ、結果が本会議に報告されます。

質疑の制限

質疑には回数や発言時間の制限があります。本会議においては、各議院の議長がその基準を決定し、委員会の場合は委員長が議論を経て決定します。特に質疑の持ち時間は、衆議院と参議院で異なる計算方法が取られており、衆議院では質問者の持ち時間が答弁中にも費消される一方で、参議院では答弁中に時間が消費されない独自の方式が採用されています。

また証人喚問や参考人質疑においては、議員は証人に対して質問を行うことができますが、証人が議員に質問をすることは認められていません。委員会での質疑が長引く場合には、議長が本会議での中間報告を求めて、討論へと進むこともあります。

地方議会における質疑

地方議会でも国会と同様に質疑が行われますが、無所属議員が多いため、各会派代表以外の議員が主要な政策について首長に質問する「一般質問」という制度が存在します。このように、質疑は議会の透明性を保ち、政策決定過程を支える重要な手続きとして位置付けられています。

もう一度検索