購買担当者景気指数

購買担当者景気指数（PMI）とは

購買担当者景気指数（PMI: Purchasing Managers' Index）は、企業の購買担当者を対象としたアンケート調査を基に算出される経済指標です。企業の景況感を数値で表し、経済の現状と今後の動向を把握するために広く利用されています。

PMIの算出方法

PMIは、購買担当者に対して、生産量、新規受注、在庫、雇用などの項目について、現状が「改善」「横ばい」「悪化」のいずれであるかを回答してもらい、その回答結果を集計して算出します。

具体的には、以下の式で計算されます。

PMI = (改善の割合 - 悪化の割合) ÷ 2 + 50

この式からわかるように、PMIは0から100の範囲で数値化され、50が景気判断の基準となります。PMIが50を上回る場合は、景気が拡大していると判断され、50を下回る場合は、景気が後退していると判断されます。

また、PMIは、改善の割合から悪化の割合を単純に差し引いた数値（D.I.）でも表されることがあります。D.I. = 改善の割合 - 悪化の割合 であり、PMIを算出する際の基礎となる数値です。

PMIの種類と発表機関

PMIは、世界中で様々な機関によって発表されています。代表的なものとしては、以下のものがあります。

S&P グローバル PMI: 世界各国の製造業とサービス業のPMIを毎月発表しています。日本ではauじぶん銀行と提携し、日本語と英語で情報を提供しています。
ISM PMI: アメリカの Institute for Supply Management（サプライマネジメント協会）が発表しているPMIです。製造業とサービス業のPMIをISMはPMIと呼んでいますが、日本の報道機関ではISM製造業景気指数、ISM非製造業景気指数と呼んでいます。ISM-Chicagoが発表するシカゴ地域のPMI類似指標もあり、これはシカゴ購買部協会景気指数、シカゴPMIと呼ばれています。ISMは元々National Association of Purchasing Managementという名称でした。
中国国家統計局 PMI: 中国の国家統計局が発表しているPMIです。
中国物流購買連合会 (CFLP) PMI: 中国物流購買連合会が発表しているPMIです。
* 日銀短観: 日本銀行が発表する全国企業短期経済観測調査（日銀短観）の中で、購買担当者ではないものの、PMIに類似した指標が公表されています。こちらはD.I.で数値化されています。

PMIの活用

PMIは、経済の現状を把握し、今後の動向を予測するための重要な指標として、政府機関、金融機関、企業、投資家など、様々な関係者によって活用されています。

特に、PMIは速報性が高く、他の経済指標よりも早く景気動向の変化を捉えることができるため、市場の動向を判断する上で非常に重要な情報となります。

注意点

PMIは、あくまでアンケート調査の結果を基にした指標であり、実際の経済活動を完全に反映しているわけではありません。また、各国のPMIは調査方法や対象企業が異なるため、単純な比較はできません。しかし、経済の動向を把握する上では重要な指標であることは間違いありません。

PMIを適切に理解し、経済分析に活用することで、より正確な判断が可能になるでしょう。

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