赤いランプの終列車

赤いランプの終列車

「赤いランプの終列車」（あかいランプのしゅうれっしゃ）は、1952年（昭和27年）に発表された日本の歌謡曲です。歌手は春日八郎、作詞は大倉芳郎、作曲は江口夜詩が手掛けました。この楽曲は春日八郎のデビューシングルとしてリリースされましたが、発売から間もなく異例のヒットを記録し、最終的には50万枚を超える売り上げを達成しました。これにより、長い下積み時代を送っていた春日八郎は、当時28歳にして一躍脚光を浴び、国民的なスター歌手としての地位を確立しました。

同名映画

楽曲のヒットから数年後の1958年（昭和33年）、春日八郎の歌手生活十周年を記念する作品として、この楽曲と同名の映画が日活によって製作されました。監督は内田一作が務め、主演は歌手である春日八郎自身が演じています。映画は同年12月28日に公開されました。

映画あらすじ

物語は、識別のため赤いランプを点灯させた終列車に乗り合わせた車掌、春日（春日八郎）の姿から始まります。その列車には、偶然にも敏腕芸能マネージャーの山野ユリ（白木マリ）と、近年業績が芳しくない同業者である中村（岡田真澄）も乗り合わせていました。

実は三等切符（当時赤切符と呼ばれた）しか持っていなかった中村は、二等車（グリーン車）で春日と山野を見かけ、咄嗟に三等車（普通車）へ逃れようとします。しかし山野に引き止められ、そのまま春日と顔を合わせてしまうことになります。不正乗車が露見した中村は、差額運賃を支払う羽目になり、その場をしのぐために芸能事務所社長を名乗り、歌が得意だという春日に対し、「歌が好きならテストしてやる」と虚勢を張るのでした。

数日後、春日は恋人である富子が、家族の借金返済のため裕福な家の息子と結婚すると知り、深い衝撃を受けます。失意の底にあった春日は、心機一転を図るべく中村のもとを訪ねますが、そこで、中村が最近は詐欺まがいの手段で利益を得ようとしているらしい実態を知ることになります。それでも懲りない中村は、今度は春日のマネージャーであると偽り、架空の契約を持ちかけて契約金をだまし取ろうと画策しますが、この企みもまた露見してしまいます。

中村を深く案じるユリは、春日に対し「彼を救えるのはあなただけだ」と訴えかけます。その言葉に動かされた春日は、中村による被害者たちの前に立ち、「彼は私のマネージャーです。彼が結んだ契約に基づき、私が責任を持って仕事を遂行します。」と堂々と宣言します。そして、持ち前の誠実さと実力で契約通りの仕事を見事にこなし、事態を円満に収拾させることに成功します。

こうして事態を解決した春日は、その後中村の経営する会社に入社。中村と力を合わせ、会社の再建に向けて歩み出すのだった。

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