赤い崖

『赤い崖』（原題: A Kiss Before Dying）は、1956年に公開されたアメリカのサイコスリラー映画です。ガード・オズワルドの監督デビュー作であり、ロバート・ワグナー、ジェフリー・ハンターらが出演しています。この作品は、アイラ・レヴィンが1953年に発表した長編ミステリー小説『死の接吻』を原作としています。

同原作を映画化した作品としては、1991年にマット・ディロン主演の『死の接吻』も存在します。『赤い崖』は、フィルム・ノワールとしては珍しく、カラーで撮影されている点が特徴です。

ストーリー



物語は、野心家の青年バド・コーリスが、富豪の娘ドロシーと交際しているところから始まります。ドロシーから妊娠を告げられたバドは、自身の野望のために彼女を自殺に見せかけて殺害します。しかし、ドロシーの姉であるエレンは、妹の死に疑問を抱き、大学講師のゴードン・グラントの協力を得て、事件の真相を追求し始めます。

原作との違い



映画版では、原作小説とはいくつかの点で違いが見られます。まず、原作に登場する富豪の長女マリオンが映画には登場せず、エレンが長女として描かれています。また、犯人が物語の冒頭から明らかになっているため、ミステリーとしての要素は薄れています。これは、観客が犯行の動機やその後の展開に焦点を当てられるようにするため、意図的に変更されたと考えられます。

キャスト



  • - バド・コーリス: ロバート・ワグナー（日本語吹替: 仲村秀生） - 野心家の青年
  • - ゴードン・グラント: ジェフリー・ハンター（日本語吹替: 広川太一郎） - 大学の非常勤講師
  • - エレン・キングシップ: ヴァージニア・リース（日本語吹替: 北浜晴子） - 富豪キングシップ家の長女。妹ドロシーの死に疑いを持つ
  • - ドロシー（ドリー）・キングシップ: ジョアン・ウッドワード（日本語吹替: 上田みゆき） - エレンの妹。バドの子を妊娠する
  • - コーリス夫人: メアリー・アスター（日本語吹替: 林洋子） - バドの母親
  • - レオ・キングシップ: ジョージ・マクレディ（日本語吹替: 千葉耕市） - エレンとドロシーの父親

日本語吹替版は、1970年9月14日に『月曜ロードショー』で初回放送されました。

製作



20世紀フォックスは、1953年に原作の映画化権を取得し、主演に同社契約のロバート・ワグナーを検討していました。その後、製作がクラウン・プロダクションズに移管された際、当初はロバート・パリッシュが監督候補として挙がっていましたが、最終的にガード・オズワルドが監督に抜擢されました。これにより、20世紀フォックスからワグナー、ジョアン・ウッドワード、ジェフリー・ハンターが貸し出されるという形で製作が進められました。

作品の評価



映画の評価は高く、批評サイトRotten Tomatoesでは、10件のレビュー全てが高評価で、平均点は10点満点中6.6点となっています。

外部リンク



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