仲村秀生

仲村 秀生について

仲村 秀生（なかむら しゅうせい、1935年3月9日 - 2014年7月30日）は、日本の著名な声優および俳優です。東京に生まれ、長野県上田市で戦中の疎開生活を送りました。上田高等学校を卒業後、信州大学に進学し、その後は京都の「劇団くるみ座」で俳優としての修行を始めました。

生涯の経歴

1956年、仲村は新劇演出家を目指して上京し、舞台芸術学院で程島武夫に指導を受けました。彼の声優業の一歩は、1959年に始まります。当時、同じ劇団の仲間が映画『アンタッチャブル』で吹き替えの仕事をしていたことがきっかけで、仲村も流れで声優デビューを果たしました。以後、声優としてのキャリアが展開され、1960年代には外画やアニメに頻繁に出演するようになりました。

1969年には人気ドラマ『鬼警部アイアンサイド』に、7年もの間出演。さらに、アニメの分野でも1967年の『スカイヤーズ5』で初主役を演じ、新たな道を切り開きました。仲村はその後、様々なプロダクションを経て、81プロデュースに所属するようになります。

1990年代後半になると、仲村は劇団魚座を立ち上げ、演劇活動に力を入れつつ、東京アナウンス学院や代々木アニメーション学院で講師として後進の育成にも取り組みました。しかし、私生活ではアルコール依存症や躁鬱病に悩むこととなり、その影響で徐々に声優活動から離れていったのです。

代表作と個性

仲村秀生は特に、アニメーションや洋画のアフレコで彼の存在感を発揮しました。声質はバリトンであり、『宇宙戦艦ヤマト』の島大介とはその代表的な役柄の一つで、アニメ界でも名を馳せました。自らの声を「年よりも若い」と表現し、役柄にあわせた様々な声色を使い分けることができました。『あしたのジョー』では力石徹を演じ、その人気を不動のものにしました。

また、仲村は演技に対する姿勢が非常に真剣で、アフレコ現場では時に演出家やプロデューサーと意見が衝突することもありましたが、それも彼なりのプロフェッショナリズムの現れといえます。特にアフレコ時の役作りにはこだわり、舞台での役作りに近いアプローチを大切にしていました。

私生活と苦悩

家庭では妻と3人の子供（長女長男次女）に恵まれ、その長女も声優や俳優として活動している時期がありました。ただ、仲村の私生活は病気に苦しみ、晩年にはほとんど公の場に出ることがありませんでした。2011年には友人の製作による映画にナレーションとして出演するものの、2014年には療養生活の中で亡くなりました。

最後に

仲村秀生はその多才な才能とともに、演劇界、声優界に多大な影響を残しました。今年、彼の死から数年が経ちましたが、その功績は今後も語り継がれることでしょう。特に、演技に対する真摯な姿勢や、声の持つ力を際立たせた業績は、後の世代にも強い影響を与え続けています。

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