赤い死線

テレビドラマ『赤い死線』

『赤い死線』は、1980年11月の初回放送を迎えたTBSと大映テレビによる共同制作のテレビドラマであり、最高視聴率は23.3％を記録しました。本作は、同じくテレビドラマシリーズの「赤いシリーズ」の最終作で、主演は当時人気絶頂の山口百恵です。この作品は、「山口百恵引退記念スペシャル」としても知られています。また、1983年に『ザ・サスペンス』枠で再放送された際には、2時間のドラマとして放送されました。原作はウィリアム・アイリッシュの小説『暁の死線』です。

ストーリーの概要

物語は北海道襟裳から東京へと舞台を移し、バレリーナとしての夢を抱く川波良子が主人公です。彼女は母親への仕送りをしながらバレエ団に在籍していましたが、副業として高級ディスコ「ミルキーウエイ」でダンサーをしていたことで、バレエ団から退団通知を受けてしまいます。その後、彼女の周囲で起こるさまざまな事件が物語を展開させていきます。

良子は、「ミルキーウエイ」のビルのオーナーである江藤商事の社長に言い寄られます。ここに、預けた1000万円を取り戻そうとする青年が現れ、彼の計画倒産の危険が浮かび上がります。事件の流れの中で、青年が江藤を殴り倒し逮捕されるという事態が発生するのです。

複雑に絡み合う人間関係

良子は、実は青年と同郷である北村明夫だと気づきます。彼との交流を通じて、良子は心の支えを感じますが、明夫が持っている1000万円の行方が物語の鍵を握ることになります。二人は、江藤商事のオフィスへの侵入を試み、犯人の手がかりを探し出そうとする中で、さらなる事件が待ち受けていることが明らかになります。

謎とサスペンスの深化

良子と明夫は、江藤の遺体を発見します。彼は殺されており、その遺体からは様々な手がかりが浮かび上がります。二人は、犯人の特徴を突き止めようと奔走し、途中で様々な人物との接触が生まれます。しかし、真犯人を探し出すことは容易ではなく、思わぬ事態に巻き込まれていきます。

物語の展開とともに、警察との関わりも増えていき、状況は複雑さを増していきます。明夫が堀田に犯人を問い詰めるシーンでは、怒りや恨みの感情が浮き彫りになり、物語はますます緊迫感を増していきます。

結末に向かって

最終的に、ストーリーは驚くべきクライマックスへと導かれ、登場人物たちの行動がどう結実するのかが見どころとなります。江藤の遺志を巡って進む人間模様は、サスペンスだけでなく、愛や友情の要素も色濃く映し出します。

この作品は、視聴者に緊張感と感動を与えながら、山口百恵の最後の大役ともなる名作として記憶されることでしょう。

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