赤堀四郎

赤堀四郎の生涯と業績

赤堀四郎（あかほり しろう）は、1900年10月20日に静岡県小笠郡千浜村（現・掛川市千浜）に生まれました。生化学者としての彼の軌跡は、数多くの研究業績とともに、教育界にも深い足跡を残しています。

生い立ちと教育

赤堀は多くの兄弟とともに育ち、家計が厳しい中で父から科学者たちの話を聞き、興味を抱いて育ちました。1913年に千浜尋常小学校を卒業後、叔父の勧めで上京。大蔵省で働きながら、錦城中学校の夜間部へ通い、その後、昼間部へと移ります。やがて千葉医学専門学校薬学科に進学し、1921年に卒業します。

大学での研究

彼は桃谷順天館に入社し、東北帝国大学で西沢勇志智教授の下で研究を開始しました。醤油の香り成分の抽出に注力し、1925年には同大学を卒業。その後もアミノ酸や糖に関する研究を続け、1931年には理学博士の学位を取得しました。

留学と帰国後の活動

1932年、赤堀はヨーロッパに留学し、プラハやアメリカのコロンビア大学で酵素化学や消化酵素の研究を行います。帰国後は大阪帝国大学（現・大阪大学）で助教授として教鞭をとり、1939年に教授に昇格。戦時中はガスマスクの開発にも関与しました。

教育と研究業績

戦後、赤堀は教員適格審査を担当するなど、教育界での役割も担いました。1955年に日本学士院賞を受賞し、1960年には大阪大学の総長に就任します。基礎工学部の設立やキャンパス移転などに尽力し、文化勲章や勲一等瑞宝章など、多くの栄誉を受けました。

研究の成果と目的

赤堀の研究は、醤油の成分に関するものでした。特に彼は、アミノ酸の結晶化やタカアミラーゼの研究で著名で、ミオグロビンやインスリンの結晶化にも成功しました。これらの成果は、現代生化学に大きな影響を与えました。

健康と晩年

赤堀は1992年11月3日に92歳で逝去しました。彼の功績は後世に語り継がれており、故郷では名誉市民としての称号が贈られるなど、多くの人々から尊敬を集めています。孫の原邦雄は、彼の精神を引き継ぎ「ほめ育」という教育メソッドを広めています。

まとめ

赤堀四郎の生涯は、苦難を乗り越え、研究と教育に貢献し続けた30年間の活動に彩られています。彼の存在は、日本の生化学や教育界における優れたモデルとなっており、その業績は今なお多くの人々にインスピレーションを与えています。

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