赤尾清綱

赤尾清綱：浅井氏を支えた重臣の生涯

戦国時代から安土桃山時代にかけて、近江浅井氏の重臣として活躍した赤尾清綱。その生涯は、浅井氏の興亡と深く結びついています。

浅井氏への忠誠と揺るぎない信頼

永正11年(1514年)、赤尾教政の子として生まれた清綱は、近江国を拠点とする赤尾氏の出身でした。赤尾氏は当初京極氏の傘下でしたが、後に浅井氏に仕え、海北氏、雨森氏と共に「浅井三将」の一角を担うほどにまで成長しました。

特に、浅井氏初代当主・浅井亮政の代から仕え、その忠誠心は浅井家歴代当主から厚い信頼を得ていました。小谷城において、城の要所に位置する居館「赤尾曲輪」を与えられ、常時城内に在番する事を許されていました。これは、通常城下町に屋敷を構える家臣とは異なる、特別な待遇と言えるでしょう。城主に絶大な信頼を寄せられ、その立場を反映した証左と言えるでしょう。

家督相続と時代の波

浅井久政の時代には、家臣の遠藤直経らと共に、久政からその子・長政への家督相続を画策しました。久政が城を離れた隙をついて小谷城を掌握し、長政への家督継承を強行したのです。長政の当主就任後は高齢であったため、主に軍事的助言や監督を行う立場として、陣中に参加していました。また、浅井氏が六角氏との抗争で一時越前に逃れ、朝倉氏と同盟を結んで再興を図った経緯から、朝倉氏寄りの立場を堅持しました。

小谷城の戦い、そして最期

天正元年(1573年)9月1日、織田信長軍による小谷城の戦いが勃発します。浅井氏は織田軍に敗れ、清綱も捕虜となりました。信長の眼前で切腹させられたという記録が残っています。享年60歳でした。

ただし、別の説として、赤尾屋敷で浅井長政とその弟・政元と共に自害したという説も存在します。どちらの説が正しいのかは定かではありませんが、いずれにせよ、清綱は浅井氏と共にその生涯を終えたと言えるでしょう。赤尾美作守として、その名を残しています。

歴史への足跡と記憶

赤尾清綱は、浅井氏に仕えた忠義の武将として、その生涯は数々の歴史小説やドラマの題材にもなっています。「国盗り物語」、「功名が辻」、「江〜姫たちの戦国〜」など、様々な作品の中で、その人物像が描かれています。これらの作品を通して、清綱の生き様や、浅井氏への忠誠心を知ることができます。

戦国時代という激動の時代に生きた赤尾清綱。その生涯は、浅井氏の歴史、そして戦国時代の激しさの一端を物語る重要な存在と言えるでしょう。彼の生き様は、今もなお人々の記憶に刻まれています。

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