赤木一騎

赤木一騎：関西の競馬界を牽引する馬体診断の第一人者

赤木一騎氏は、日本の競馬界において、独自の視点と深い知識で知られる関西を拠点とする競馬評論家です。競馬新聞『競馬サイエンス』と有料競馬情報サイト「JRDB」の創設者であり、長年にわたる研究と執筆活動を通して、多くの競馬ファンに影響を与え続けています。

彼の活動の中核をなすのは、競走馬の馬体診断です。関西圏での中央競馬開催（阪神競馬場、京都競馬場）はもちろんのこと、中京競馬場や小倉競馬場などにも足を運び、パドック（下見所）で入念な観察を行います。この馬体診断、赤木氏自身は「馬見（うまみ）」と呼んでおり、その内容は多岐に渡ります。

馬見（うまみ）の要素

装着馬具の確認と効果の判断: ブリンカーやシャドーロールなどの馬具が競走馬のパフォーマンスにどう影響するかを精査します。効果的な使用、あるいは逆にマイナスの影響を与えているかを分析し、その判断根拠を明確に示します。
馬体構造や特徴の確認: 競走馬の体格、筋肉のつき方、骨格などから、その馬が得意とする距離や、芝コース、ダートコースといったコース適性を分析します。微妙な体格の違いから、潜在能力や適性を見抜く赤木氏の鋭い洞察力は多くのファンを魅了しています。
競走馬の疾病の確認: 「ソエ」（管骨骨膜炎）などの疾病の有無とその程度を綿密に確認します。肉眼で確認できるものだけでなく、過去のレース結果や馬の行動から潜在的な疾病の可能性まで見極める、高い観察眼が光ります。
競走馬のタテの比較: 前走までのレース内容、使用された馬具、タイム、力関係などを総合的に分析し、競走馬の能力を比較します。過去のレースデータから、馬の成長や衰え、状態の推移を丁寧に読み解きます。
* 競走馬のヨコの比較: レース当日の他の競走馬との力関係を比較します。当日の馬の状態や、騎手の技量、枠順といった要素も加味して、総合的な判断を行います。

これらの要素を総合的に分析することで、赤木氏は競走馬の能力や状態を正確に把握し、競馬ファンの予想に役立つ情報を提供しています。

執筆活動と情報発信

赤木氏は、単なる評論活動にとどまらず、積極的に執筆活動も行っています。競馬専門誌『競馬王』（白夜書房）への寄稿や、自身の著書を通して、一般の競馬ファンにとって分かりにくい競走馬の疾病や馬具の効果について、専門的な知識を分かりやすく解説しています。

特に、競走馬の職業病である「ソエ」に関する解説は、CGや写真、イラストを多く使用し、専門知識のないファンにも理解しやすい内容となっています。ソエの程度の見極め方、治療方法、そしてレースへの影響など、多角的な視点からの解説は、多くの競馬ファンから高く評価されています。

彼の著書には、『久保和功VS赤木一騎 馬券極道』（白夜書房、2006年）、『京都・阪神の馬券名人になる本：冒頭特集』（白夜ムック、2008年）、『赤木一騎の「遺書」』（白夜書房、2008年）などがあります。これらの著作は、彼の長年の研究成果と深い洞察が凝縮されており、競馬ファンにとって貴重な情報源となっています。

赤木一騎氏の活動は、競馬をより深く理解し、楽しむための重要な手がかりを提供しています。彼の研究と情報発信は、日本の競馬界の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。

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