赤木桁平

赤木桁平の生涯と業績

赤木桁平（あかぎ こうへい、本名：池崎忠孝）は1891年に岡山県で生まれた日本の評論家及び政治家です。彼は初めて夏目漱石の伝記を執筆したことで広く知られています。また、大正時代に「遊蕩文学撲滅論」を提唱し、多くの支持を集めました。衆議院議員としても3期にわたり議席を獲得し、歴史に名を残す人物となりました。

来歴

彼は農村の出身で、父の赤木辰三郎は鉱山での仕事を経て独立を試みましたが、失敗に終わります。高梁中学校を卒業後、東京帝国大学法科に進学し、在学中に文学に対する関心を深めた赤木は、鈴木三重吉の紹介を受けて夏目漱石の門下に入ります。彼の活動は、当時の文壇に大きな影響を与えました。

特筆すべきは、1916年に発表した「『遊蕩文学』の撲滅」という論考です。これは花柳界を題材にした小説を批判するもので、近松秋江や他の作家たちに対して厳しい言葉を投げかけました。彼のこのスタンスは、多くの議論を引き起こしましたが、それが彼の知名度向上に寄与したことは間違いありません。

政治家としての活動

東京帝大卒業後、赤木は『萬朝報』に入社し、論説部で活動しましたが、家庭の事情から退職します。その後、大阪で商業を営む傍ら、政治活動に身を投じます。彼は1929年に講演会の速記録『米国怖るゝに足らず』を発表し、これがベストセラーとなります。この作品をきっかけに、赤木は日米戦争を避けられないものとする立場を鮮明にし、本格的な著作活動に入ります。

1936年には大阪府から衆議院議員に当選し、近衛内閣では文部参与官としての役割も担いました。彼はこの立場を利用して思想の自由を守るために奮闘しましたが、戦況の悪化とともに彼の立場も揺らぎます。1945年には連合国軍から逮捕され、A級戦犯容疑で拘留されることとなります。政治的な波乱の中、彼は公職から追放され、その後の人生は病気により厳しいものとなります。

著作活動

赤木桁平の著作は理論的かつ実践的な内容にあふれたものでした。彼は評論家としての顔だけでなく、著作家や政治家としても多くの本を著しています。

主な著書

• - 『芸術上の理想主義』（1916年）: 彼の評論家としてのスタートを示す重要な書籍。
• - 『米国怖るゝに足らず』（1929年）: 米国に対する彼の見解を述べた作品。
• - 『宿命の日米戦争』（1932年）: 戦争の背景とその必然性について考察したもの。
• - 『日米戰はヾ』（1941年）: 太平洋戦争に関する彼の見解をまとめた重要な著作。

結論

赤木桁平は、文学と政治の両方において独自の地位を築いた人物であり、彼の生涯は日本近代史における重要な一ページとして位置づけられています。その影響は今もなお、多くの分野で生き続けています。彼の業績を振り返ることは、私たちに当時の社会や文学における価値観を見直す機会を与えてくれます。

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