赤間清松

赤間清松 - 地方競馬史に輝く名騎手・調教師

赤間清松（あかま きよまつ、1935年3月4日 - 2018年9月）は、宮城県出身の元騎手、元調教師です。地方競馬、特に南関東を舞台に活躍し、類まれな騎乗技術と指導力で競馬界に大きな足跡を残しました。彼の兄は新潟県競馬の調教師・赤間昭松、弟は新潟県競馬の調教師・赤間松次、甥は金沢の調教師・赤間亨と、まさに競馬一家と言える環境で育ちました。

輝かしい騎手時代

1957年、新潟競馬場で騎手デビュー。その後、東京の大井競馬場に移籍し、名門・小暮嘉久厩舎で研鑽を積みます。小暮厩舎の厳しい指導の下、赤間清松の才能は開花。南関東のレースで数々の勝利を収め、「大レースに滅法強い騎手」として名を馳せました。

彼の最大の功績は、東京ダービー6勝という金字塔でしょう。これは2023年現在も破られていない最多勝記録です。羽田盃7勝、東京大賞典3勝など、数々の重賞競走を制覇し、地方競馬を代表する騎手として不動の地位を築きました。

中でも、1975年の東京ダービーを制したゴールデンリボーとの三冠達成は、彼のキャリアにおける大きなハイライトでした。ゴールデンリボーは、羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞と三冠を制覇。赤間清松の卓越した騎乗術、そして陣営の連携が結実した瞬間でした。この勝利は、ライバル騎手との激しい競り合いを制したもので、赤間清松の戦略眼と勝負強さを印象づけるものとなりました。

さらに、1977年の東京ダービーは、師匠である小暮嘉久の逝去直後に行われたレースでした。雨の悪天候の中、赤間清松はサンコーモンドで勝利。師匠への追悼の思いを胸に、見事優勝を飾りました。ゴール直後のインタビューで、感極まって涙する赤間清松の姿は、多くの競馬ファンに感動を与えました。

1980年の東京ダービー連覇後、父が危篤状態となり、故郷に帰ります。父との最後の別れ、そして父からの厳しい言葉は、赤間清松の騎手人生に大きな影響を与え、1983年に騎手引退を決断することとなります。引退レースとなった東京ダービーでも勝利し、6勝という金字塔を打ち立てました。

調教師としての活躍

1984年、調教師に転身。地方所属馬を中央競馬の地方招待レースに出走させるなど、積極的な姿勢で中央競馬への挑戦を続けました。1991年には管理馬のジョージモナークがオールカマーを制覇。地方所属馬の快挙は、彼の長年の夢が叶った瞬間でもありました。

調教師として、彼は南関東のトップジョッキーである内田博幸騎手を育成。厳しい指導で知られ、その厳しさは、伝説として語り継がれています。

ジャパンカップ制覇を目標に掲げ、ジョージモナークやハシルショウグンで4年連続出走させましたが、全て最下位に終わりました。それでも、地方競馬の代表として中央競馬の舞台に挑戦し続けた彼の情熱は、多くの競馬ファンに敬意と感動を与え続けました。

晩年と功績

2008年に調教師を勇退した後、その消息は不明でしたが、2018年9月頃に逝去したことが後に判明しました。

赤間清松は、通算2885勝という輝かしい騎手成績、そして調教師としての功績を残しました。東京ダービー6勝という記録は、彼の類まれな才能と強い精神力を示すものと言えるでしょう。地方競馬の発展に大きく貢献した彼の功績は、これからも競馬史に刻まれ続けるでしょう。

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