赤面

赤面とそのメカニズム

赤面とは、顔が紅潮する現象で、恥ずかしさ、喜び、怒り、興奮など、様々な感情的な要因によって引き起こされます。他にも、発熱などの体調不良、飲酒、高温環境なども赤面を引き起こす可能性があります。

赤面は、顔面部の血管が拡張し、血液が充満することで生じます。この際、血圧が低下し、心拍数が増加することがあり、心臓への負担増加につながる場合もあります。ただし、健康な人であれば、一時的な現象であり、通常は健康に問題はありません。

赤面恐怖症

赤面恐怖症、または赤面症は、社交不安障害の代表的な症状の一つです。生涯に一度でも経験する人の割合は7～13％と推定されています。

赤面恐怖症の人は、赤面すること自体を非常に恐れます。そのため、赤面する可能性のある状況を避けようとしたり、赤面した際の周囲の反応を過度に気にする傾向があります。

赤面恐怖症の発症には、遺伝的要因や環境的要因が関与していると考えられていますが、そのメカニズムは完全に解明されていません。対人関係に苦手意識を持つ人がなりやすい傾向があるものの、活発なコミュニケーションをとる人でも発症する可能性があります。

赤面恐怖症の人は、会話相手から赤面を期待されていると感じる場面、上司や権威者との会話、異性との会話、知らない人との会話など、対人ストレスを感じやすい状況で赤面しやすいです。また、急に注目を浴びる場面や、不意の接触などでも赤面することがあります。

赤面をしやすい場面

赤面しやすい場面は、状況によって様々ですが、多くの人が以下のような状況で赤面しやすいと報告しています。

会話相手に赤面を期待されていると感じる場面
上司や権威のある人と話す、またはその話題になる
異性と話す
打ち解けていない、もしくはよく知らない人と話す
称賛されるなど、注目を浴びる場面
廊下やスーパーなどで人にぶつかったとき
* 室温・気温が高い場合、睡眠不足、飲酒時

赤面は人間特有の現象であり、他人から見て恥ずかしいと思える、注目を避けたいという気持ちの表れであるとする説があります。しかし、赤面恐怖症の場合、赤面する前から赤面することを恐れ、羞恥心が先行し、自意識過剰に陥りがちです。

赤面恐怖症への対処法

赤面恐怖症への対処法としては、深呼吸などの応急処置、周囲を気にしないようにする工夫などが考えられますが、効果は限定的です。サングラスの着用なども有効な手段となる場合があります。

森田療法

森田療法は、赤面恐怖症の治療法の一つです。「赤面する自分」を受け入れることで、赤面への不安を軽減することを目指します。

認知行動療法

認知行動療法では、ビデオフィードバックや行動実験、インタビュー調査を通して、患者の赤面に対する認知の歪みを修正し、赤面への恐怖を克服するよう促します。具体的には、他人は自分の赤面をそれほど気にしていないこと、赤面はそれほど目立たないことなどを患者に理解させることで、赤面に対する不安を軽減します。

まとめ

赤面は誰にでも起こりうる自然な現象ですが、赤面恐怖症となると日常生活に支障をきたすこともあります。適切な治療法を選択し、専門家のサポートを受けることが重要です。赤面恐怖症に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、医師やカウンセラーに相談することをお勧めします。

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