心拍数

心拍数の概要

心拍数とは、心臓が特定の時間内に拍動する回数を示すもので、通常は1分間に換算した数（bpm: beats per minute）で表されます。また、心臓が血液を送り出すときに動脈にも拍動が現れるため、この回数は脈拍数または単に脈拍とも呼ばれます。

安静時心拍数

安静時心拍数は、リラックスしている状態で計測される心拍数のことで、一般的に男性では60～70拍、女性では65～75拍程度とされています。呼吸と心拍数は生理学的に関連しており、吸息時には脈拍が速く、呼息時には遅くなります。また、最大心拍数は年齢とともに減少する傾向があります。成人の場合、「220-年齢」で計算され、高齢者は「215-年齢」あたりが目安とされています。

心拍数と脈拍数の違い

心拍数と脈拍数は通常一致していますが、脈拍欠損や不整脈がある場合は一致しないことがあります。特に重篤な不整脈ではこの不一致が顕著になります。心電図では正常な心拍数が示されていても、心収縮が無い場合（無脈性電気活動）には、脈拍が存在しないこともあるため、注意が必要です。

安静時心拍数の異常

安静時心拍数が異常である場合、すなわち過剰に高くなることを頻脈、逆に低くなることを徐脈と呼びます。頻脈は一般的に100拍を超える状態を指し、様々な疾患（血液疾患、ストレス、感染症など）が原因となることがあります。一方、徐脈は60拍未満とされ、これも必ずしも病的ではなく、スポーツ選手には一般的に見られる現象です。

測定方法

心拍数を正確に測定する方法には、心電計を使用して心電図のQRS波形を利用する方法と、手首の動脈に指を当てて脈拍を数える方法があります。簡易的には脈拍を20秒間数えて3倍することで推測できますが、運動中は心拍数と脈拍数が一致しないことがあるため、注意が必要です。また、最近ではKinectのような赤外線技術を用いて非接触で心拍数を測定する機器も開発されています。

スポーツと心拍数

運動中の心拍数は有酸素運動の強度を示すのに重要で、最大心拍数（MHR）や予備心拍数（HRR）を使って表現されます。

最大心拍数による運動強度

運動強度は「心拍数÷最大心拍数×100」で表され、例えば最大心拍数が190の場合、運動中の心拍数が152であれば運動強度は約80%となります。

予備心拍数による運動強度

安静時心拍数と最大心拍数の差を用い、「(心拍数－安静時心拍数)÷(最大心拍数－安静時心拍数)×100」で計算します。例えば安静時心拍数が60で年齢30歳の場合、心拍数が125であれば運動強度は50%HRRとなります。

東洋医学における脉数

東洋医学では、患者の呼吸に対し心拍数の比率を使って健康状態を評価します。具体的には、正常な脈拍数を示す平脈（心拍数が4）や、数脈（5以上）、遅脈（三つ以下）が定義されます。

これらの情報からもわかるように、心拍数は我々の健康状態や身体の状態を把握するために非常に重要な指標であり、適切な理解と測定が求められます。

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