超!よしもと新喜劇

超!よしもと新喜劇

『超!よしもと新喜劇』（ちょうよしもとしんきげき）は、1997年10月16日から1998年3月12日まで放送されていたコメディ番組です。この番組は吉本興業と毎日放送（MBSテレビ）の共同制作で、TBS系列の木曜20時からの時間帯に放送されました。日本全国を視野に、特に関東やその他の地域をターゲットにしており、東京都世田谷区のTMC砧スタジオで収録されていました。

本番組は、伝統的な吉本新喜劇のスタイルを維持しつつも、東京や東日本の視聴者にもアプローチすることを目指していました。そのため、スタジオセットは大規模で、観客を巻き込むような演出が施されていました。開幕時には「死ぬ気で、東京。」というキャッチコピーが用いられ、これは本家『よしもと新喜劇』のキャッチコピー「死ぬ気で、元気。」を踏まえたものでした。

番組の成績と影響

初回放送では、関東で9.2%、関西で25.3%という視聴率を記録しましたが、関東地方での視聴率は年々低下していきました。特に、吉本新喜劇のファン層からは、あまりにも複雑な演出や、多くのゲストを起用することに対する不満が噴出し、結果的に視聴率が低迷する要因となりました。これにより、なんばグランド花月での公演にも影響が及び、座長やベテランメンバーが番組収録に関わることが多くなり、その間に大阪での舞台のスケールダウンを余儀なくされました。

超コメディ60!

1998年4月には、『超コメディ60!』に改名され、番組内容の見直しが行われました。ダウンタウンや新喜劇OBの今田耕司が出演し、新たな試みとして前半で新喜劇、後半ではゲストを迎えてのクイズやゲームコーナーが設けられました。しかし、これも視聴率の向上には結び付かなかったため、7月からはゲストを排除し、吉本興業所属のメンバーのみでの「貧乏一家シリーズ」に切り替えました。このシリーズでは、出演者の内場勝則と辻本茂雄がCDをリリースするなどの展開も見られましたが、1998年9月17日の放送をもって終了しました。

エピソード

内場勝則のインタビューでは、当初の公演スタイルからの変更に対する戸惑いや、ゲストを入れることへの疑問が語られています。大阪のファンからも、新喜劇本来のスタイルが薄まったとの意見が寄せられました。多くのメンバーが東京に移る中で、大阪の公演を支えていたメンバーは「半泣きで大阪」のような心境だったと振り返っています。

後の展開

後の2013年からは東京都のTOKYO MXで新喜劇の放送が開始され、2019年には神奈川県のテレビ神奈川でも放送されるようになりましたが、他の地域での定期放送は未だ実現していません。それでも、毎年1月1日は特別番組が放送されており、『よしもと新喜劇』は現在も続いています。

このように『超!よしもと新喜劇』は、東京と大阪の笑いの違いや、新喜劇の伝統を守る難しさを浮き彫りにしながらも、新たな試みを続けていったコメディ番組でした。

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