超ムーの世界

『超ムーの世界』（ちょうムーのせかい）は、CSチャンネル「エンタメ〜テレ」で2014年から2023年にかけて放送された、オカルトを主題とした人気番組シリーズです。

この番組は、長年にわたりオカルト愛好家の間で絶大な支持を集める雑誌『月刊ムー』との全面的な協力のもと制作されました。放送開始は2014年6月7日。まず、『超ムーの世界』として全6回が短期集中で放送され（同年8月17日まで）、好評を受けて翌2015年2月2日からは『超ムーの世界第二章』が再び全6回で放送されました（同年4月20日まで）。さらに、『第二章』の終了間もない同年5月4日からは、装いも新たに『超ムーの世界R』としてレギュラー番組へと移行し、約8年間にわたり多くのオカルトファンに親しまれました。

番組の主な内容は、UFOやUMAといった未知の存在、古今東西の予言、世界を裏から操るとされる秘密結社、そして現代に語り継がれる都市伝説など、世の中に存在する様々な超常現象や不可解な事象について、出演者たちが独自の視点や情報を持ち寄り、深く掘り下げて議論を交わすというものです。単なる情報提供に留まらず、時に大胆な仮説を立てたり、出演者それぞれの見解をぶつけ合ったりすることで、オカルトの奥深さや面白さを視聴者に届けました。本編の合間には、お笑い芸人であり手相占いでも知られる島田秀平による手相に関する「開運講座」や、各地のパワースポットを紹介するコーナーなどが挿入され、番組に彩りを添えました。

番組を彩るレギュラー出演者は、MCを務める島田秀平をはじめ、番組の根幹であるオカルト雑誌『ムー』の編集長である三上丈晴、長年にわたり超常現象や怪奇現象を独自に研究してきた並木伸一郎、そしてWebメディア「Tocana」の編集長を務める角由紀子（彼女は最初のシリーズである『超ムーの世界』の第3回放送より参加）といった、オカルト界の論客や専門家たちでした。また、かつては芸人のキックも主要な出演者の一人として参加していました。

番組の冒頭と終盤を飾る印象的なナレーションは、番組開始当初から2018年途中までは声優の二又一成が担当し、その独特の語り口で世界観を構築。2018年途中からは俳優の萩原聖人に引き継がれ、番組の雰囲気を引き締める役割を担いました。

番組の長い歴史の中で、残念ながら放送に関するトラブルも発生しました。2018年に放送された回において、当時出演していたキックが紹介した内容について、著作者より著作権侵害の可能性が極めて高いとの指摘が寄せられたのです。これを受け、放送局であるエンタメ〜テレは2022年9月14日、問題となった該当回の放送および各種プラットフォームでの配信を停止したことを公表しました。この事態の責任を取る形で、当事者であるキックは自ら番組への降板を申し出て、以降は番組への出演を取りやめました。番組公式サイトには、著作権侵害に関する謝罪文が掲載されるとともに、該当の放送回（＃176）以降、キック氏の出演予定がないことが明記されました。

一連の出来事とは直接の因果関係は明確ではありませんが、番組はその後も放送を続け、2023年2月20日放送分（＃186回）をもって、約9年にわたる長い歴史に幕を閉じることが発表されました。

放送時間はシリーズによって異なり、『超ムーの世界』は第1・第3土曜日の23:05から、『超ムーの世界第二章』およびレギュラー化された『超ムーの世界R』は隔週月曜日の25:00（火曜未明1:00）からの放送という変遷をたどりました。

番組制作には、以下のスタッフが携わりました。

CAM：西村幸時
AD：嶋左近、中谷諒平
ディレクター：中山大樹
プロデューサー：桑原裕一、瀧本圭司
技術協力：mobu
EED・MA：イレブングラフィックス
制作協力：セブンエー
製作・著作：エンタメ〜テレ

また、本番組は関連商品としてDVDシリーズが多数リリースされ、オカルトファンの間で人気を博しました。特に初期の作品はセブン＆アイ限定販売でしたが、その後一般流通も行われ、多くのエピソードが映像化されました。しかし、これらのDVDは2023年5月29日をもって販売が終了しています。

『超ムーの世界』シリーズは、オカルトというニッチなジャンルながら、専門家とエンターテイナーが融合した独自のスタイルで、多くの視聴者に驚きと好奇心を提供し続けた、特筆すべき番組と言えるでしょう。

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