超高温材料研究所

株式会社超高温材料研究所

株式会社超高温材料研究所（Japan Ultra-high Temperature Materials Research Institute、略称：JUTEM）は、日本において超高温素材に特化した研究を行う民間の研究機関です。1990年に設立され、当初は第三セクターによる研究基盤施設の整備法人としてスタートしました。

設立と発展

設立当初、研究所は株式会社超高温材料研究センターとして発足し、高度な設備を駆使して超高温材料の研究開発を行うことを目的としていました。2005年にはその業務の一部を引き継いだ形で、超高温材料研究所が設立されました。この研究所は、摂氏2000度に耐え得る素材を中心に、宇宙関連の機体材やエンジン、またエネルギー分野での革新を目指しています。

特に航空宇宙分野においては、宇宙船の機体材料やエンジン材料として、またエネルギー分野では核融合技術、石炭ガス化技術、高効率ガスタービン開発のための材料として、超高温材料の利用は不可欠です。これらの産業への貢献を通じて、技術の進展を支援しています。

組織と経営

2010年12月、業務内容はそのままに社名を「超高温材料研究センター」に変更し、以降は民間企業としての運営が行われています。現在の代表取締役社長は山村武民氏で、彼は宇部興産出身の実業家です。

研究施設

研究所は山口県宇部市と岐阜県多治見市に拠点を持ち、研究施設とオフィスがそれぞれ設置されています。

• - 山口事業所: 山口県宇部市大字沖宇部573-3
• - 岐阜事業所: 岐阜県多治見市東町3丁目1番地8

出資企業

研究所には、各種製造業や金融機関を含む44社が出資しており、産業界全体からのバックアップを受けて研究開発が進められています。

研究開発と協定

超高温材料研究所は、他の研究機関と連携しながら様々な研究開発に取り組んでいます。過去には、京都大学エネルギー理工学研究所と共同で炭化ケイ素基複合材料の実用化に向けた研究協定を締結したほか、山口大学工学部やJPL（米国ジェット推進研究所）との間で高効率の熱電変換材料に関する国際共同研究を行ってきました。これらの協力を通じて、技術の実用化に向けた道筋をつけています。

また、ナノテクノロジーを応用して金属の強度とじん性を向上させる新技術の開発に取り組んだり、宇部興産とトスコと共に排気ガスフィルターの研究も進めたりしています。これらの研究成果は、持続可能な社会の実現に向けた重要な技術的貢献となるでしょう。

今後の展望

超高温材料研究所は、今後も航空宇宙分野やエネルギー分野における新素材の育成や技術革新を通じて、国家の重要なプロジェクトに寄与し続けることを目指しています。

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