越中島駐屯地

越中島駐屯地

越中島駐屯地は、東京都江東区越中島に所在した陸上自衛隊の駐屯地です。その歴史は、警察予備隊の発足から自衛隊へと移行する激動の時代と深く関わっています。短期間ではありましたが、日本の防衛体制の中枢を担う重要な場所でした。

警察予備隊時代

1950年9月7日、警察予備隊の本部が越中島に移転し、仮部隊本部が開設されました。同年12月12日には、吉田茂首相が視察に訪れ、隊員たちを激励しました。しかし、越中島はあくまで一時的な拠点であり、1951年8月7日には、第1管区総監部が習志野[[駐屯地]]へと移駐しました。

保安庁時代

1952年8月1日、保安研修所が設置され、同年10月15日には保安隊が発足しました。さらに同年10月28日には、警備隊第二幕僚監部が越中島の保安庁庁舎に移転しました。1953年3月1日には大井分屯地が開設され、1954年2月1日には航空準備室も開設されました。これらの動きは、自衛隊発足に向けた準備段階としての役割を担っていました。

防衛庁・自衛隊時代

1954年7月1日、統合幕僚会議と同事務局が設置され、調達実施本部が発足しました。陸上自衛隊への移管が行われ、航空自衛隊の発足に伴い航空幕僚監部も設置されました。保安研修所は防衛研修所に改称され、陸上・海上・航空自衛隊の発足記念式典が開催されました。同年8月15日には、防衛研修所が中野へ移転し、9月25日には、防衛庁長官直轄部隊として固定通信群が越中島駐屯地で創隊しました。

1956年3月23日、内局、統合幕僚会議事務局、調達実施本部、海上幕僚監部が越中島から霞ヶ関庁舎へ移転を開始し、3月25日には航空幕僚監部、3月28日には陸上幕僚監部も霞ヶ関庁舎へ移転を開始しました。同年4月20日には、業務学校と調査学校が小平[[駐屯地]]から移駐してきましたが、1960年1月6日には再び小平[[駐屯地]]へ移駐しました。

駐屯地の終焉

1960年1月25日、越中島駐屯地は廃止されました。短期間ではありましたが、日本の防衛体制の変革期において、重要な役割を果たした場所でした。駐屯地には、陸上幕僚監部、業務学校、調査学校などが一時的に置かれました。

参考文献

国立国会図書館、(1962)、『自衛隊年表』、防衛庁長官官房広報課
朝雲新聞社編集局、(2000)、『波乱の半世紀 陸上自衛隊の50年』、朝雲新聞社

もう一度検索