越喜来湾

越喜来湾は、岩手県南東岸、太平洋に面した場所に位置する湾です。三陸海岸の中央部に位置し、リアス式海岸特有の複雑な地形が特徴です。湾の入口は、気仙郡三陸町の大塩埼から脚埼を結ぶ線によって区切られ、その幅は約2.2km、面積は18.8km2です。

湾内には越喜来漁港や崎浜漁港をはじめとする複数の漁港があり、地域経済において重要な役割を果たしています。これらの漁港では、ワカメやホタテ貝などの養殖が盛んに行われ、新鮮な海の幸が水揚げされています。湾内には大きな島は見られず、海岸線まで山地が迫っていますが、河口部などには砂浜も存在します。湾の北西岸には越喜来の集落が形成されており、海岸部は大船渡市に属しています。

越喜来湾には、北西岸から浦浜川、西岸からは甫嶺川や矢作川といった河川が流入しています。これらの河川は、湾の生態系を支えるとともに、周辺地域の生活用水源としても利用されています。

2011年の東北地方太平洋沖地震の際には、越喜来湾でも最大15mを超える巨大な津波が発生し、沿岸地域に壊滅的な被害をもたらしました。この津波は、漁港施設や家屋を破壊し、多くの人々の生活に大きな影響を与えました。この経験から、沿岸部では防災対策の重要性が再認識され、様々な対策が講じられるようになっています。

越喜来湾は、豊かな漁場として、また、美しい景観を有する観光地として、地域の人々に親しまれています。しかし、過去の災害を教訓に、今後の防災対策が重要な課題となっています。

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