越坂康史

越坂 康史

越坂 康史（こしざか やすし、1966年12月25日 - ）は、日本の映画監督、映像ディレクター、脚本家、映画プロデューサー。東京都出身。

多岐にわたるジャンルで映像制作を手掛ける才能豊かなクリエイターであり、特に自主制作作品で高い評価を得ている。日本映画監督協会および日本アカデミー賞協会の会員でもある。

経歴と人物

秀明中学・高校を経て、日本大学芸術学部映画学科を卒業し、映像制作の道を志す。大学卒業後、東映の子会社である映像プロダクション、日本産業映画センターに入社。ここでキャリアの第一歩を踏み出した。

転機となったのは、この時期に個人的に制作した短編映画『深夜の三人』（MIDNAIGHT THREE）である。この作品は、1998年に開催されたゆうばり国際ファンタスティック映画祭のファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門においてグランプリを受賞するという快挙を達成した。この受賞が契機となり、越坂氏は企業向けビデオパッケージ（VP）の監督として注目され、その手腕を発揮するようになる。

2000年にはフリーランスの映像ディレクターとして独立。しかし、当時の経済情勢から企業VPの制作予算が削減される傾向にあったため、活動の幅を大きく広げることを余儀なくされる。これを機に、ドラマ、ドキュメンタリー、CM、教育映像、企業プロモーションビデオなど、ジャンルを問わず様々な映像制作に取り組むようになる。この経験が、後の多様な作風に繋がっていく。

特に、自身の結婚に至るプロセスを記録したドキュメンタリー作品『できちゃった結婚』は高い評価を受け、2004年の東京ネットムービーフェスティバルおよび2007年の西東京市民映画祭でそれぞれグランプリを受賞するなど、複数の賞に輝いた。

2009年には、自身の制作プロダクションとなるオーブンアイズ合同会社（Oven+eys）を設立。以降は、同社の代表として、監督、脚本、プロデューサーといった複数の役割を担い、精力的に作品を発表し続けている。これにより、企画から完成まで一貫した体制での制作が可能となった。

自主制作への情熱も衰えず、2017年には映画『ストレンジデイズ』で、再びゆうばり国際ファンタスティック映画祭にてシネガーアワードを受賞するなど、インディーズシーンでも存在感を示している。

越坂氏の作品は、エンターテインメント性の高いホラーやサスペンスから、社会問題や人権をテーマにした真摯な作品、教育目的の映像まで、極めて広範囲に及ぶ。多様な表現方法を駆使し、依頼主やテーマに合わせて最適な映像を作り出す能力に長けていると言える。

主な作品

以下に、越坂康史氏が携わった主な作品の一部を挙げる。

映画・ドラマ

『心霊食堂』（2000年）プロデューサー
『Father』（2001年）製作
『グリーン・デイズ』（2005年）製作、監督
『ナイントゥイレブン』（2010年）製作、監督
『愛のえじき 女教師ハルカの告白』（2011年）
『マン・ハンティング』（2012年）製作、監督
『俳優になりたい君たちへ』（2012年）製作、監督
『学校に原発ができる日』（2014年）製作、監督
『ホームジャック』（2016年）製作
『地下室の美女が語る恐怖の都市伝説』（2016年）
『怖い 夢占いの館』（2017年）プロデューサー
『ストレンジデイズ 監禁ワークショップ』（2017年）
『監禁惑星アメーバ』（2018年）監督、脚本

ウェブドラマ

『はだか拳』（2021年）
『はだか拳Ω』（2021年）

VP等

国民文化祭いばらぎ2008公式記録
柏の葉スマートセンター
中京地区警察広報ビデオ
* 医療関連ウェブムービー多数

このように、越坂康史氏は様々なジャンルと形式で映像作品を発表し続け、日本の映像業界において確固たる地位を築いている。

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