越淡麗

越淡麗（こしたんれい）

越淡麗（こしたんれい）は、日本の新潟県で生まれた酒造好適米の一種で、主に晩生の品種として知られています。1996年に新潟県農業試験場で開発が始まり、その結果、五百万石と山田錦という二つの著名な酒米を人工交配して誕生しました。こうして生まれた越淡麗は、新潟の気候や土壌に適した、優れた酒造りのための米とされています。2022年のデータによると、越淡麗の酒造好適米としての生産量は全国で8位に位置付けられています。

開発の経緯

越淡麗の開発は、一般的な酒米の改良を目的としていました。2001年には試験栽培が始まり、さらに2004年には品種登録が申請されました。これらの試みは、技術的には非常に複雑で、多くの実験とデータ集積が求められました。2007年には、新潟淡麗にいがた酒の陣で展示試飲酒が出品され、初めて一般の人々にその存在が知られることとなりました。

特性と評価

越淡麗の主な特性としては、晩生であることが挙げられます。とはいえ、耐倒伏性やいもち病に対する抵抗性は弱いものの、小さめの線状心白を持ち、タンパク質含量が低いため、酒造りには非常に適しています。収量性については五百万石には劣りますが、山田錦よりも優れています。特に越淡麗は高度精白にも耐え、40％以上の精白が可能で、砕米が少ないことが特長です。この性質により、真の精米歩合と見かけの精米歩合の差が極めて小さく（無効精米歩合は2.2％）、精米特性は非常に優れています。

官能評価においても越淡麗は高く評価されており、五百万石が「淡麗できれい」、山田錦が「やや甘みがあり味わい深い」とされるのに対し、越淡麗は「柔らかくてふくらみがある」と表現されています。このような柔らかさと豊かなふくらみは、飲む人々に深い満足感をもたらすことが多く、越淡麗を使った酒は特に高級感を持つとされています。

交配系譜

越淡麗は、五百万石と山田錦の交配によって生まれたため、これらの米品種の良い特性を受け継いでいます。また、新潟県は豊な水資源と米作りの伝統を持つ地域であり、越淡麗はその中で生まれた優良品種の一つと言えるでしょう。

参考文献

• - 副島, 顕子『酒米ハンドブック』（改訂版）文一総合出版、2017年7月31日。ISBN 9784829981535。

関連項目

• - 五百万石
• - 酒米

越淡麗は、日本酒の文化と技術の融合を象徴する存在として、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。特に新潟県の酒造りにおいては欠かせない存在であり、今後の発展にも期待が寄せられています。

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