趙倫貞

趙倫貞（チョ・ユンジョン）：韓国テニス界の先駆者

趙倫貞（チョ・ユンジョン, 조윤정, Cho Yoon-Jeong, 1979年4月2日 - ）は、韓国・安東市出身の元女子プロテニス選手です。右利きで両手打ちのバックハンド・ストロークを特徴とし、WTAツアーではシングルスの優勝こそないものの、ダブルスで1勝を挙げています。

プロ入りまで

10歳からテニスを始めた趙倫貞は、ジュニア時代からその才能を発揮しました。1996年には全豪オープンジュニア女子ダブルスで準優勝を果たし、その後プロテニスツアーに本格的に参戦します。1997年からは女子テニス国別対抗戦・フェドカップの韓国代表選手として活躍し、国際舞台での経験を積みました。

プロテニスプレイヤーとして

1998年の東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントのダブルスでは、クリスティ・ボーグルト（オランダ）とペアを組み、当時最強ペアであったマルチナ・ヒンギス&ミリヤナ・ルチッチ組に敗れはしたものの、ヒンギスと対戦したことは彼女にとって忘れられない経験となったようです。同年の全米オープンで4大大会の予選に初挑戦しますが、本戦出場はなりませんでした。2000年のシドニー五輪ではダブルスに出場しましたが、初戦で敗退しています。

その後、趙倫貞は予選突破に苦しみましたが、2001年全米オープンでついに4大大会本戦への初出場を果たします。2002年の全米オープンでは3回戦に進出し、第6シードのモニカ・セレシュから1セットを奪う健闘を見せました。2003年には全豪オープンとウィンブルドンで2回戦に進出し、韓国女子テニス選手として当時のシングルス最高位となる45位を記録しました。

度重なる怪我との戦い、そして引退へ

趙倫貞は以前から顎関節のずれによる持病を抱えており、それが原因で首、肩、背中などに慢性的な故障を抱えることが多かったようです。世界ランキング45位を記録した直後には背筋痛のため試合を棄権、顎の手術のため2004年4月まで戦線を離脱しました。2004年アテネ五輪では、女子シングルスに初出場を果たしましたが、2回戦でフランチェスカ・スキアボーネに逆転負けを喫しました。同年10月には、故国で開催されたハンソル韓国オープンで田美螺とペアを組み、ダブルスで初のWTAツアー優勝を果たしました。

2005年のウィンブルドンと全米オープンでも好成績を残しましたが、2006年全豪オープンでは1回戦で第2シードのキム・クライシュテルスと対戦、東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントでは、復帰したばかりのマルチナ・ヒンギスにわずか35分で完敗するなど、苦しい戦いが続きました。その後、再び背筋痛に悩まされ、2008年に現役引退を発表しました。

主な戦績

WTAツアー ダブルス優勝：1回
4大大会シングルス最高成績：3回戦進出（全米オープン2002, 2005）
* 自己最高ランキング：シングルス45位

引退後も、趙倫貞は韓国テニス界に貢献しています。若手選手の育成やテニス普及活動に携わり、次世代の育成に力を注いでいます。彼女の功績は、韓国テニス界の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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