趙纓絡

趙纓絡（ちょう えいらく）は、北宋の徽宗帝の第19皇女として生まれ、その生涯は激動に満ちたものでした。彼女は政和元年（1111年）3月25日に順福公主の位を授けられ、皇族としての地位を確立しました。その後、政和3年（1113年）閏4月には、順福帝姫の位に改授され、その身分はさらに高められました。

靖康元年（1126年）6月、趙纓絡は順徳帝姫を再授され、向子扆（こうし い）に降嫁しました。しかし、その幸せな日々は長くは続きませんでした。同年、靖康の変が勃発し、北宋は金によって滅ぼされ、趙纓絡を含む多くの皇族や貴族が金に連行されるという悲劇に見舞われました。

金に連行された趙纓絡は、完顔宗翰（ワンヤン ゾンハン、ネメガ）の側室となりました。天会8年（1130年）6月には、纓絡は次婦（妾妻）の位を授けられ、完顔宗翰の寵愛を受けたと推測されます。しかし、天会15年（1137年）7月に完顔宗翰が病没すると、彼女の境遇は再び変化しました。

完顔宗翰の死後、趙纓絡は宗翰の家を出て五国城へ向かいましたが、習古国王に足止めされ、その側室となることを余儀なくされました。同年、彼女は死去し、その波乱に満ちた生涯を閉じました。

趙纓絡の生涯は、『宋史』、『靖康稗史箋證』、『皇第十九女特封順福公主制』、『順福公主特改封順福帝姫制』などの歴史資料に記録されています。これらの資料は、彼女の生涯や当時の社会情勢を知る上で貴重な情報源となっています。

趙纓絡の生涯は、北宋の滅亡と金の支配という時代の大きなうねりの中で、翻弄された皇女の悲劇を象徴しています。彼女の物語は、歴史の残酷さと、その中で生き抜いた人々の強さを今に伝えています。

『宋史』：趙纓絡の伝記が収録されている。
『靖康稗史箋證』：靖康の変に関する記録。
『皇第十九女特封順福公主制』：趙纓絡が順福公主に封じられた際の詔。
『順福公主特改封順福帝姫制』：趙纓絡が順福帝姫に改封された際の詔。

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