足利豊

足利豊：アンダースロー投手の軌跡

足利豊（あしかが ゆたか）は、1968年10月15日に秋田県秋田市の河辺戸島で生まれた元プロ野球選手であり、投手として知られています。彼の野球人生は、幼少期から始まりました。父親や叔父、兄も野球経験があり、その影響で早くから野球に親しんでいました。漫画『ドカベン』のキャラクターに憧れ、捕手を目指していたものの、戸島小学校3年生の時に野球部の監督の指導でアンダースローの投手としての道を歩むことになります。

小学校4年生の時には公式戦に出場。5年生の時にはチームを県大会準優勝に導くなど、その才能は早くも開花しました。彼は地元の強豪校、金足農業高に進学し、1年生の夏には選手権大会に出場して他校の打撃投手として経験を積むものの、帰り咲くことは叶わず、2年生でエースとなるものの、再び甲子園に進むことはありませんでした。

高校卒業後、足利は社会人野球の新日本製鐵釜石に進みます。1988年の都市対抗野球ではNTT東北の補強選手として出場しますが、1回戦で敗退。翌1989年には新日本製鐵名古屋に移籍し、西濃運輸の補強選手として都市対抗野球の準々決勝進出に模索。ここで彼の能力が評価され、1990年のドラフトでダイエーから5位指名を受けてプロ入りしました。

プロ選手としてのスタートを切った足利は、2年目の1992年に対ロッテ戦で初勝利を収め、その年には5勝を上げました。年俸も780万円増の1,500万円となります。1993年のキャンプでは同郷のアンダースロー投手、山田久志からシンカーを習得し、自己最高の成績を残すも、肩の故障に悩まされることになります。

その後も、1994年に脇腹と股関節を痛めるなどで出場機会が減り、1997年オフには自由契約となりましたが、横浜からの入団テストに合格。再びプロの舞台に戻るも、次の年には肩の故障が影響し、その後チャンスを生かせないまま退団。シカゴ・カブスとのテストも受験するものの、契約には至りませんでした。

1999年には台湾リーグの三商タイガースでプレーし、7試合で2セーブを記録しますが、チームの解散に伴い現役を引退。引退後は地域に密着したスポーツ用品店で勤務し、野球界から離れた生活を送りました。

足利豊は1990年代前半のNPBにおいて珍しいアンダースロー投手として知られ、最速130km/h台の速球と90km/h台のカーブ、シンカーを織り交ぜた緩急あるピッチングスタイルを持っていました。彼の記録は存在しており、初登板は1991年5月29日、初勝利は1992年7月8日の対千葉ロッテマリーンズ戦です。背番号は数度変わり、52、64、17を着用して活躍しました。

足利の軌跡は、プロスポーツ選手としての挫折と挑戦の連続であり、彼の名前は今も多くの野球ファンの記憶に残っています。

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