足底疣贅

足底疣贅：原因、症状、治療法

足底疣贅（そくていゆうぜい）は、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染によって足の裏にできるイボの一種です。通常は皮膚の色と変わらず、目立たないこともありますが、小さな黒い点が表面に現れることもあります。複数のイボが一つ所に発生することも珍しくありません。特徴的な症状として、圧迫による痛みが挙げられ、場合によっては歩行困難を招く可能性もあります。

原因

足底疣贅の直接的な原因は、ヒトパピローマウイルスの感染です。ウイルスは皮膚の傷やひび割れから侵入します。感染リスクを高める要因としては、共同浴場やシャワー施設の使用、過去のHPV感染歴、免疫力の低下などが考えられます。特に、免疫力が低下している状態では、感染しやすく、症状も重くなる傾向があります。

症状

足底疣贅は、足の裏にできる小さなイボとして現れます。色は通常、周囲の皮膚とほぼ同じで、目立ちにくい場合もあります。しかし、表面に小さな黒い点が見られることがあり、これは毛細血管の閉塞によるものです。また、圧力をかけると痛みを感じることが多く、それが歩行困難の原因となることもあります。イボの数は一つとは限らず、複数個が密集して発生することもあります。

診断

足底疣贅の診断は、主に医師による視診によって行われます。患部の外観、症状、病歴などを総合的に判断することで診断が下されます。特別な検査は通常必要ありませんが、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合、組織検査などが行われることもあります。

治療

足底疣贅の治療は、症状の程度や患者の希望などを考慮して決定されます。痛みや歩行困難などの症状が強い場合、または日常生活に支障をきたす場合は治療が推奨されます。治療法には、サリチル酸を用いた外用療法、液体窒素による凍結療法、外科的切除などがあります。治療の前に、病変部周辺の皮膚を削る処置を行うこともあります。

多くの場合、治療は病変部を直接的に除去する方法が選択されます。サリチル酸は角質を柔らかくしてイボを除去する効果があり、自宅でも使用できる手軽な治療法です。凍結療法は、液体窒素でイボを凍らせて壊死させる方法で、効果が高いとされています。外科的切除は、より大きなイボや他の治療法が効果を示さない場合に用いられる方法です。

なお、約3分の1から3分の2の人では、自然に治癒することもあります。しかし、自然治癒には数ヶ月から数年かかる場合があり、その間痛みなどの症状に悩まされる可能性もあります。そのため、症状が強い場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師に相談して適切な治療を受けることが重要です。

その他の足底疣贅

尋常性疣贅に分類される足底疣贅とは別に、特殊型に分類される足底に生じる疣贅として、ミルメシア（原因ウイルスはHPV1a）や点状疣贅（原因ウイルスはHPV63）などがあります。これらは、症状や治療法が尋常性疣贅とは異なる場合があります。

まとめ

足底疣贅は、HPV感染によって起こる足の裏のイボで、圧迫による痛みを伴うことがあります。治療が必要な場合と、自然治癒する場合があり、その経過には個人差があります。症状が気になる場合は、皮膚科医への相談をお勧めします。早期の治療開始により、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を軽減できる可能性があります。

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