踊り子行状記

映画『踊り子行状記』の詳細

『踊り子行状記』は、1955年6月26日に公開された日本の時代劇映画で、監督は安田公義が務めている。原作は直木三十五の同名小説であり、脚本は西条照太郎と犬塚稔が共同で手がけた。大映の若手俳優たち、市川雷蔵、山本富士子、勝新太郎が共演したことでも注目されている。

概要

作品は、2人の剣士の友情と一女性に寄せる思いを背景にしたドラマを描いている。安堂左馬之助（市川雷蔵）と武智十郎太（勝新太郎）は、剣術に秀でた旗本として同僚であり親友関係にある。物語の発端は、二人の上司である水城頼母（黒川弥太郎）の招待で行われた祝宴である。この席には、売出し中の踊り子、誰弥（山本富士子）と団七（長谷川裕見子）も出席しており、特に誰弥は左馬之助に恋を寄せている。

あらすじ

祝宴の最中、同席していた香東玄六（河野秋武）が、昇進を果たさなかった恨みから他の旗本と揉め事を起こす。この騒動がきっかけとなり、翌日、十郎太は香東を斬り捨ててしまう。この出来事を受けて、左馬之助は親友の十郎太を守るため、彼の母のことを考え、妹の千代（江島みどり）を十郎太に託して身代わりとなり、危険な逃避行を始めることになる。

左馬之助は、十郎太が香東の義理の兄である渋川陣十郎（富田仲次郎）に追われていることを知り、誰弥の家に彼をかくまう。この決断は、誰弥の家が一刀組による厳しい監視下に置かれることを意味する。左馬之助は、旅立ちを決意するが、一刀組に絡め取られ、あろうことか、誰弥は井筒屋に監禁されてしまう。

十郎太は、誰弥を救うため、井筒屋に駆けつけるが、待ち伏せていた一刀組との間で剣戟が始まる。窮地に陥った仲間を助けるために、左馬之助と暁雨（市川小太夫）も駆けつけ、壮絶な戦闘が繰り広げられる。最終的に、左馬之助は甦る感情と戦いながら渋川を斬殺し、誰弥たちを救うことに成功する。

しかしながら、殺人の罪に対する償いとして、左馬之助は誰弥と共に江戸を離れ、旅に出ることを余儀なくされる。物語の最後では、周囲の人々、特に親友の十郎太が二人の後姿を見守りながら、彼らの幸せを祈る姿が描かれる。この中には、左馬之助への恋心を抱えつつも、その思いを断ち切る団七の姿もある。

スタッフとキャスト

本作は、安田公義監督のもと、西条照太郎と犬塚稔による脚本で映像化されている。主要キャストには、主役の市川雷蔵、山本富士子、勝新太郎をはじめ、豪華な顔ぶれが揃っている。

まとめ

『踊り子行状記』は、友情や愛情、誇りと悔恨といった普遍的なテーマを描いた傑作時代劇であり、今なお多くのファンに愛され続けている。

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