踏み出し

踏み出し（ふみだし）

相撲における「踏み出し」とは、勝負結果の一つである非技の一種です。勇み足とは異なり、力士に戦意がなく、自ら土俵の外に出てしまう状態を指します。具体的には、以下のようなケースが該当します。

土俵際で相手と接触する前に、自ら後ろに下がって土俵の外に出てしまう場合
土俵の外に出る際に、足の裏全体が俵の外に出てしまう場合

「踏み出し」は、2001年1月場所から正式な勝負結果として採用されました。それ以前は、「勇み足」や「反則」として扱われることがありました。

近年記録された「踏み出し」の例としては、以下のようなものがあります。

2023年3月場所10日目：欧勝馬 - 栃ノ心戦（栃ノ心●）
2022年11月場所初日：北青鵬 - 千代の国戦（千代の国●）
2014年7月場所7日目：大関稀勢の里 - 嘉風戦（嘉風●）
2014年1月場所5日目：豊響 - 大関鶴竜戦（豊響●）
2013年7月場所9日目：阿覧 - 嘉風戦（嘉風●）

古い相撲用語との関連

公式な相撲用語ではありませんが、古くは足先が俵に掛かっている状態で踵が蛇の目に触れた場合を「踏み切り」と呼んでいました。これは現在の「踏み出し」とは意味合いが異なります。

物議を醸した有名な対戦

十両の取組で、「踏み出し」が記録された有名な例として、1968年9月場所初日の朝嵐 - 和晃戦があります。

制限時間いっぱいになった際、朝嵐は土俵内にゴミが落ちているのを発見し、待ったをかけて土俵の外に出てゴミを捨てました。しかし、この行為に対し物言いがつき、審議の結果、「時間いっぱいの後に土俵を出たため戦意無しとみなして反則負け」という裁定が下されました。朝嵐はこの裁定に納得がいかず、審判部に抗議しましたが、結果は覆りませんでした。

ただし、この対戦が行われた当時は「踏み出し」が勝負結果として採用されていなかったため、公式記録は「反則」となっています。もし当時「踏み出し」の規定があれば、「踏み出し」として記録されていた可能性があります。

関連項目

世にも奇妙な物語 秋の特別編 (2003年)：
中村獅童が主人公を演じた『遠すぎた男』という話の中で、「踏み出し」が扱われています。主人公は誰からも近づかれないため力士になり横綱まで登りつめますが、勝負結果は全て「踏み出し」だったというオチになっています。このエピソードは、「踏み出し」という現象をコミカルに表現した例として知られています。

外部リンク

踏み出し - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会公式サイト

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