蹴球風見鶏

蹴球風見鶏

『蹴球風見鶏』（しゅうきゅうかざみどり）は、日本の漫画家・とうこくりえ氏によるサッカー風刺漫画です。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』で連載され、サッカー界の出来事を独自の視点とユーモアで描き出しています。

概要

この作品は、Jリーグや日本代表、なでしこジャパンを題材に、シーズン中の話題やオフシーズンの移籍情報を風刺を交えて描いています。各チームのマスコットキャラクターが選手や監督と共にデフォルメされ、そのユニークな表現方法が特徴です。作者は、マスコットがサポーターやフロントの代弁者として適役であると語っています。

漫画の構成は、サッカーの話題がメインですが、左端には別の題材を扱った4コマ漫画が掲載されることもあります。また、『エル・ゴラッソ』関連書籍にも出張掲載されることがあります。

登場マスコット

Jリーグのマスコットたちは、それぞれ個性豊かに描かれています。

鹿島アントラーズ: しかおを中心に、妻のしかこ、息子のアントンが登場。しかこは気が強く、一家を引っ張るしっかり者として描かれています。
アルビレックス新潟: アルビくん一家が登場。選手の移籍やチームの状況に対するリアクションが派手で、妻のスワンちゃんにたしなめられる様子が描かれます。
グランパスくん: 名古屋弁で話し、無表情なキャラクター。妻のグランパコちゃんから「お父さん」と呼ばれています。
レディア: メディアへの露出が少ないことを皮肉られ、手を抜かれた描写がされています。控えめな性格で、浦和サポーターのイメージとは対照的です。
ベガッ太、ディーオ: 東北弁で話し、ケンカ友達のような関係。ベガッ太が落ち込んでいる時には、ディーオが励ますなど、心温まる場面も描かれます。
ふろん太: 時々、ピーカブー（カブレラ）と一緒に登場。グランパスくんからは「小さい方の海獣」と呼ばれています。
パルちゃん: シルバーコレクターであることを嘆くことが多いですが、基本的には明るく人懐っこい性格。夏季限定で「ダークパルちゃん」に変身します。
ジュビロくん、ジュビイちゃん: 苦労性の夫婦のような雰囲気で描かれています。ジュビイちゃんはジュビロくんのことを「おまいさん」と呼びます。
パーサくん: 対戦マスコットを丸焼きにするという過激な表現が特徴です。
モーヴィ: 語尾に「モー」を付ける。監督交代が多いチーム状況を達観しているかのような発言も。
サンチェ: 語尾に「クマー」を付ける。体格はモデルチェンジされる以前の大柄なもの。
ジェフィ、ユニティ: いつも一緒に登場し、ユニティはジェフィを「いぬ兄ちゃん」と呼びます。
ニータン: 当初は目が半開きで描かれていました。
マリノスケ: 横浜F・マリノスを代弁。マリノス君ではなく、甥のマリノスケが選ばれた理由は、くちばしの短さや子供に近い視線のためです。
ギランくん: サガン鳥栖のウィントス君を「アニキ」と慕っています。

その他の定番キャラクター

ヤタガラス兄弟: 日本サッカー協会のマスコットをモデルにしたキャラクター。常に一歩引いた視点からサッカー界を見つめます。
Mr.ピッチ一族: 紋付き袴を着たMr.ピッチと、頭に花をつけた娘たちが登場します。
テンノーハイマン: 天皇杯をモチーフにしたキャラクター。波乱と下克上を愛します。

単行本

第1巻：2010年3月4日発行
総集編 平成の巻：2019年3月15日発行

『蹴球風見鶏』は、サッカーファンにとって見逃せない作品です。ユーモアあふれる視点と、個性的なマスコットたちの活躍を通じて、サッカー界の様々な出来事をより深く、そして楽しく知ることができます。

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