身延ショッピングセンターCOMA

身延ショッピングセンターCOMAの歴史

身延ショッピングセンターCOMA（みのぶショッピングセンターこま）は、1993年に山梨県の身延町にオープンした地域中心のショッピング施設です。このショッピングセンターは、地元の6社が共同出資して設立した「身延ショッピングセンター事業協同組合」を基盤にしており、総投資額は約30億円。このように地域の業者が資金を出し合い、大手企業に依存しない形で運営された点が特長でした。

開業の背景と施設の特徴

COMAは、食品フロア「ハウディ」と衣料品店「ふじやエクセル」を中心に構成され、映画館やプール、スポーツジム、さらには会議室など、さまざまな施設を備えていました。このため、多彩なショップが揃い、地域住民から広く親しまれていました。また、周囲の過疎地域からも視察が訪れるなど、その注目度は高まっていました。

しかし、商圏の成長が期待されたにもかかわらず、身の回りの人口が限られていたため、経営には課題が生じざるを得ませんでした。特に、その後、競合となる大手のショッピングセンターが近くに開店することで、COMAの顧客が流出してしまう問題が発生しました。いくつかの専門店が撤退し、経営は悪化の一途を辿りました。

経営の変遷と閉店

2004年には、映画館「COMAシアター」が閉館し、再興を目指して大規模な改装を実施。しかし、2006年には電器店「ケーズデンキ」を誘致したものの、わずか8ヶ月で撤退。その後も経営振興策を実施するも、2007年にはフロアの閉鎖やエレベーターの使用中止といった困難な状況が続きました。さらに、身延町内で新たに同規模の商業施設が開業したことも、経営を圧迫する要因となりました。

ついに2008年7月、経営の継続が難しくなり、身延ショッピングセンターは閉鎖に至りました。閉鎖後も「営業休止」として再開を模索しましたが、施設は差し押さえられ、競売にも買い手がつきませんでした。この期間に山梨県は経済的問題を抱えることになりますが、特に身延ショッピングセンターには膨大な額の融資が行われ、その回収が困難になったことが大きな問題となりました。

社会的影響とその後

この経営難は、地方紙や全国の新聞によって取り上げられ、話題となりました。特に、TBS系列の情報番組では、身延ショッピングセンターのケースが深刻な経済問題の一例として紹介されたことがあります。2012年には、身延町が当該地に住宅造成を行うことを決定し、土地および建物の買受けを申し出て、センターの閉店が正式に決定しました。その後、建物は解体され、2021年には新たな宅地分譲が行われることになりました。

最終的な印象

COMAの閉鎖は、地域経済に大きな影響を与えた重要な出来事であり、地元のビジネス環境や店舗戦略についての教訓として、今もなお語り継がれています。ショッピングセンターの運営には、地域の人口動態や競合状況への継続的な配慮が必要であることが浮き彫りにされました。

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