車台番号

車台番号：車両を識別する固有番号

車台番号とは、原動機付自転車や自動車の車体フレームなどに刻印された、その車両を特定するための固有の識別番号です。フレームナンバーや車体番号と呼ばれることもあります。国土交通大臣が、車両の寸法やフレーム構造などの情報を基に、個々の車両に割り当てます。道路運送車両法により、車両への打刻が義務付けられています。

車台番号の役割と重要性

車台番号は、車両の登録や各種手続きに必要不可欠です。自動車の登録申請には車台番号の記載が必須で、記載がない場合は申請が受理されません。また、自動車保険の契約や、リコール対象車両の確認、部品発注などにも利用されます。さらに、盗難車両の捜査など、犯罪捜査の手掛かりとしても重要な役割を果たします。

車台番号は、車両の型式と製造番号を組み合わせた形で表記されることが多いです。日本のメーカーが生産する国内向け車両では、型式を示す記号の後にハイフン、そして5～7桁の製造番号が続くのが一般的です。例えば「SX31-9000001」であれば、「SX31」が型式、「9000001」が製造番号となります。

車台番号は、車両が解体されるまで原則として変更されません。ただし、職権打刻と呼ばれる例外的なケースが存在します。これは、組立車や試作車、型式不明の輸入車など、ごく少数の車両に運輸支局などで車台番号が刻印される場合です。また、盗難や事故による車台番号の改ざん・損傷、フレーム交換といった場合にも職権打刻が行われます。

車台番号の刻印位置と表示

車台番号の刻印位置は、車両の構造によって異なります。フレームが独立した構造のトラックなどはフレームに、モノコック構造の乗用車などは、エンジンルーム内のバルクヘッドなど、軽微な衝突では損傷を受けにくい箇所に刻印されます。オートバイの場合は、メインフレーム、例えばハンドルステムの基部に刻印されることが多いです。

車台番号は、車検証や軽自動車届出済証、標識交付証明書などに記載されているほか、車体に取り付けられた銘板にも表示されています。

国際的な車両識別番号

1981年以降、日本以外のメーカーが生産する輸入車には、多くの場合、ISO規格に準拠した17桁の車両識別番号が車台番号として登録されています。一部の車両では、構造部材に直接刻印されず、リベットなどで取り付けられたプレートに記載されているケースもあります。日本のメーカーが生産する輸出向け車両にも、この車両識別番号が適用されています。

職権打刻について

職権打刻は、運輸支局などの機関が公式に車台番号を打刻する行為です。フレーム交換など、特別な事情がある場合に行われます。フレーム交換の場合は、フレーム交換許可申請書を提出する必要があり、元の車台番号は抹消されます。現在では、レーザー刻印された金属プレートを貼付する方法が一般的ですが、以前は手作業で刻印する方法が取られていました。

車台番号と法規制

車台番号の打刻は道路運送車両法で義務付けられており、無許可での打刻、改ざん、移植は法律違反となります。フォントも改ざんされにくいものが選ばれるなど、不正防止のための対策が講じられています。車台番号は車両の身分証明書のようなものであり、その正確性と管理が重要です。

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