車峠

車峠（くるまとうげ）

福島県耶麻郡西会津町に位置する車峠は、国道49号が経由する峠です。阿賀川西岸の上野尻集落と宝坂集落を結ぶ交通路にあり、現在は車トンネルなどの近代的な道路が整備されています。

概要

かつて、この峠道はトンネルを通らず、直接車峠に達するルートでした。しかし、昭和時代の道路改良工事によって、現在の国道49号の形になりました。会津地方と新潟県下越地方を結ぶ磐越自動車道は、車峠の南の山地をトンネルで通過しており、在来線の磐越西線は阿賀川沿いを経由しています。

地理

峠の東側には、下野尻や上野尻といった集落や、水田、畑などの農地が広がっており、阿賀川が流れています。阿賀川には上野尻発電所が設置されています。一方、峠の西側には鬼光頭川が流れ、白坂や宝川などの集落があります。鬼光頭川周辺にも水田などの農地が見られます。

歴史

近世

江戸時代には、現代の国道49号と同様に、会津地方（若松、会津藩）と越後国（新発田、新発田藩）を結ぶ越後街道が車峠を経由していました。越後街道は、両地域の産物の輸送や、新発田藩などの参勤交代に利用され、重要な役割を果たしていました。

近代

明治時代に入り、福島県令に三島通庸が就任すると、会津若松を起点とする会津三方道路の改良が行われました。越後街道も改良の対象となりましたが、その際、車峠ではなく小出峠（ヲイテ峠）を経由するルートに変更されました。この時の様子は、三島が写真家菊池新学に記録写真の撮影を依頼し、記録されています。しかし、小出峠を経由するルートは数年で廃止され、旧来の車峠経由に戻されました。

現代

第二次世界大戦後、車峠を経由するルートは二級国道115号新潟平線に指定され（1953年）、その後、一級国道49号に昇格（1963年）、さらに一般国道49号となりました（1965年）。昭和40年代には、国道49号の改築が行われ、車トンネルなどが建設され、経路の変更を含む改良工事が実施されました。この時に改良された道路が、現在も国道49号として利用されています。

国道49号

車峠付近は、戦後に国道の経路として指定され、現在は一般国道49号が経由しています。峠付近では、連続雨量が一定値を超えると、落石の危険があるため通行規制が行われます。

構造物

車トンネル

全長：932m
幅員：6.5m
車線：片側1車線（上下線合計2車線）

白川橋

竣工：1970年
長さ：60.6m
幅員：8.5m
構造：桁橋

新鬼光頭川橋

竣工：1969年
長さ：53.0m
幅員：8.5m
構造：桁橋

脚注

道路管理の現況

関連項目

* 日本の峠一覧

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