車掌 (銀河鉄道999)

車掌（しゃしょう）について

『銀河鉄道999』に登場する車掌は、銀河鉄道株式会社の職員で、999号の運行を管理する重要な役割を担っています。異界の旅をしているときに出会うこのキャラクターは、松本零士の作品において象徴的な存在となっています。

キャラクター概要

車掌の正体や経歴は謎に包まれていますが、自身は10万以上の銀河鉄道規則を暗記していると主張しています。ただ、時折手帳を見返す姿も見かけるため、実際に全てを記憶しているかは疑わしい部分もあります。アニメ版では、主要キャラクターとして星野鉄郎やメーテルとともに頻繁に登場し、乗客に情報を提供する役割を果たしています。彼は停車駅やその時間について詳しい知識を持ち、メーテルと一緒に観光案内をするシーンも多く見られます。

また、基本的に列車内にいる車掌ですが、唯一の休暇を「ざんげの国」で過ごしたため、少し自由な一面も垣間見えます。特異な外見として、制服から見える顔が黒い影に包まれており、そこから光る目が印象的です。

性格・人物

鉄郎によると、彼は非常に真面目であり、規則を厳守する姿勢が特徴です。常に敬語を使い、優しい態度で接するものの、時には毅然とした決断を下すこともあり、特に規則違反に対しては厳格な態度を示します。それでも、冷静さを欠くことがあり、感情的になる場面も見受けられます。彼は乗客の安全を心掛けつつ、時には運行ダイヤとの対立も描かれ、その葛藤が物語を賑わせます。

鉄郎との関係の変化

物語が進む中で、彼の態度は次第に変わっていきます。初期の頃は冷徹な一面が強調されていましたが、鉄郎やメーテルとの絆を深めるにつれ、彼らの安否を気にかけるようになります。特に、鉄郎に対しての態度は最初は「お客さん」と呼んでいたのが、後には「鉄郎さん」と呼ぶようになるなど、関係の深化が見られます。翻って、自身の職務と個人的な感情との葛藤が描かれることで、より人間味を帯びたキャラクターとして成長していくのです。

過去と正体

TV版では、彼の過去が描かれており、かつて「思い出の顔」という星でマーベラスという美女と交際していたことが明かされます。彼は将来、マーベラスを迎えに行く夢を抱いていましたが、彼女との価値観の違いによって距離が生まれることになります。さらに、彼の正体は透明人間であることが物語の中盤で明示され、その設定によって彼の性格や職務の由来も理解されるようになります。入浴や無重力に対する描写を通じて、彼の身体の特殊性も垣間見えます。このように、車掌はただのキャラクターに留まらず、彼の過去や想いが深く物語に織り込まれているのです。

声優

アニメ版では肝付兼太が声を担当しており、その他のキャラクターとの対比で彼の個性が引き立てられています。また、彼に類似したキャラクターが他の作品にも登場しているなど、松本零士の世界観を広げる存在となっています。

このように、『銀河鉄道999』の車掌は単なる交通管理者ではなく、彼の過去や人間関係、さらには特殊な存在としての正体が物語に豊かな深みを与えています。観客は、彼の葛藤や絆を通じて、より人間的な物語を楽しむことができます。

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