軌跡 (清木場俊介の曲)

清木場俊介のキャリアにおいて、通算19枚目にあたるシングルとして、『軌跡』（きせき）は2015年6月24日にSPEEDSTAR RECORDSより正式に発売されました。この作品は、それまでの清木場俊介の活動の中で位置づけられる重要な一作であり、前作にあたる配信限定シングル「Shining」が発表されてから約2ヶ月という短いインターバルで届けられた、ファン待望の新しい楽曲です。

本作『軌跡』の存在が、CDリリースに先駆けて初めて公の場で明らかにされたのは、印象的な出来事でした。2015年4月29日、清木場俊介がその年に敢行した全国ライブハウスツアー「LIVE HOUSE TOUR 2015 “ROOTS”」の最終公演が、山口県周南市に位置するライブハウス、TIKI-TAにて開催されました。このツアーの千秋楽という特別な場所、そして多くのファンが集まったステージ上で、『軌跡』はサプライズとして初披露され、その発表は会場に集まった観客に大きな喜びと感動をもたらしました。ライブという熱気あふれる空間での初披露は、楽曲の持つ力強さをより際立たせたと言えるでしょう。

本楽曲の制作過程においては、日本の音楽シーンで長年にわたり数多くのヒット曲やアーティストのプロデュースを手掛け、その卓越した手腕が高く評価されている著名な音楽プロデューサー、亀田誠治氏がサウンドプロデュースとして迎えられました。清木場俊介という独特の歌声と表現力を持つアーティストと、亀田誠治氏という経験豊富なプロデューサーとの組み合わせによって生み出されたサウンドは、このシングルに新たな音楽的な深みと魅力を加えています。

清木場自身も、亀田誠治氏と共に『軌跡』を制作した経験について、非常にポジティブかつ充実したコメントを残しています。彼は、この共同作業や楽曲完成までのプロセスを経て、「自分が音楽をやっている幸せ、満足感を十分に感じた」と語っています。これは、単に作品が完成したという事実だけでなく、制作そのものがアーティストとしての彼にとって大きな喜びや充足感をもたらしたことを示唆しています。このようなアーティスト自身の言葉は、楽曲に込められた思いや、その時期の清木場俊介の音楽に対する姿勢を理解する上で、重要な手がかりとなります。

『軌跡』は、その楽曲の持つ世界観やポジティブなイメージから、タイアップソングとしても採用され、多くの人々に届けられました。具体的には、大手旅行情報サービスとして知られる「るるぶ」が提供するオンライン宿泊予約サービス、「るるぶトラベル」の夏キャンペーンにおけるテレビCMソングとして起用されました。テレビCMという影響力の大きい媒体を通じて楽曲が全国に放送されたことにより、『軌跡』のメロディーや清木場俊介の歌声は、より広範な層に認知される機会を得ました。夏という特定の季節のキャンペーンに採用されたことは、楽曲が持つ明るさや、旅立ち、前進といったテーマが、キャンペーンのイメージと合致したためと考えられます。

商業的な実績としては、『軌跡』はオリコンチャートの週間シングルランキングにおいて、最高で17位を記録しました。これは、その週にリリースされた様々なアーティストの多くの新譜の中で、上位20位圏内にランクインするという成績であり、清木場俊介のシングル作品として、一定数のファンや音楽リスナーにしっかりと支持され、購入されたことを示すものです。安定したセールスを記録し、チャート上でも存在感を示しました。

このシングルに収録された楽曲、すなわち『軌跡』とそのカップリング曲（インプット情報では詳細な曲名は示されていませんが、#1、#2として識別されます）は、後続の清木場俊介の作品にも引き継がれています。具体的には、このシングル楽曲は、清木場俊介がこの後にリリースしたオリジナルアルバム『FACT』にも収録されました。シングルとして提供されただけでなく、アルバムという形で楽曲が収録されたことにより、ファンは『FACT』というアルバム全体の流れや世界観の中で、『軌跡』を再び聴くことができるようになりました。

シングル『軌跡』は、全国ツアー千秋楽での感動的な初披露、著名な音楽プロデューサーである亀田誠治氏との刺激的な協業、制作を通じてアーティスト自身が得た深い満足感、そして「るるぶトラベル」夏キャンペーンCMでの大規模なタイアップといった、様々な重要な要素が結集して生まれた作品です。これらの背景を知ることで、楽曲が持つメッセージや、清木場俊介がこの時期に表現したかった思いがより深く理解できるでしょう。この作品は、清木場俊介の音楽活動における一歩一歩を示す、まさに彼の「軌跡」の一部として、その位置づけを確固たるものにしています。

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