軌道敷

軌道敷とは

軌道敷とは、道路上に設けられたスペースで、主に路面電車が通行するための部分を指します。この部分は「併用軌道」とも称され、通常は敷石や線で表示されています。他の場合では、レールの幅に1260mm（610mmずつ左右に）を加えた部分が軌道敷とされます。

通行禁止事項と例外

「道路交通法第21条」に基づき、基本的に車両は軌道敷を通行してはいけません。ただし、特定の状況下では通行が許可される場合があります。

通行を許可される状況

1. 車両が左側の道路部分が狭くて通行できない場合。
2. 道路の損壊や工事などで左側部分が使用できないとき。
3. 「軌道敷内通行可」という標識があり、自動車が通行する場合。この例外は、自動車のみを対象としているため、原動機付自転車や軽車両は含まれません。

路面電車との関係

軌道敷内を走行する車両は、バックから路面電車が近づいてきた場合、その運行に影響を与えないよう速やかに軌道敷外に移動しなければなりません。路面電車は一般自動車よりも重く、急停止が困難なため、これらのルールは非常に重要です。

通行が禁止されている理由

なぜ車両の通行が原則禁止かというと、いくつかの理由があります。まず、路面電車は急ブレーキが効かず、レール上で障害物を避けることができません。このため、通行する車両が電車の運行に影響を与えると、危険な状況を引き起こす可能性があります。また、路面電車のレールは摩擦が少ないため自動車の通行がレールを傷める原因にもなります。

さらに、自動車の侵入により渋滞が発生し、定時運行が守られなくなることも問題です。路面電車は公共交通機関なので、乗客の安全を確保することも大切です。したがって、軌道敷内では駐停車も禁止されています。

軌道敷と右折運転

併用軌道が道路の中央に位置している場合、右折時には軌道敷外で待機する方が望ましいです。安易に軌道敷内で待機すると、混雑時に動けなくなり事故の原因になることがあります。

緊急自動車との優先順位

さらに、軌道敷内は緊急自動車の通行が優先されるため、路面電車はその進行を妨げてはいけません。緊急自動車が近づいてきた場合、路面電車は交差点を避けて一時停止し、通過を確認した後に運行を再開することが求められます。

このように、軌道敷は路面電車の運行を支える重要な部分であり、利用する際には特に注意が必要です。交通ルールを守ることが、すべての道路利用者の安全につながります。

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