軌間の一覧

世界の鉄道軌間一覧

本稿では、世界各国の鉄道で使用されている様々な軌間について詳細に解説します。鉄道の軌間とは、線路のレールとレールの内側の間隔を指し、鉄道の規格を決める重要な要素の一つです。軌間が異なると、走行できる車両も異なり、鉄道網の相互乗り入れに影響を与えるため、各国で採用している軌間は、その国の歴史や地理的条件、技術的な背景によって様々です。

主な軌間

世界の鉄道で使用される軌間は多岐にわたりますが、大きく分けて広軌、標準軌、狭軌に分類されます。以下に、それぞれの軌間とその代表的な使用例を紹介します。

広軌（1,435 mm超）

広軌は、標準軌よりもレール間隔が広い軌間です。広軌を採用している主な国や地域としては、ロシアやスペインなどがあります。広軌は、より安定した高速走行や貨物輸送に適しているとされています。

ロシア: ロシアの鉄道では、1520mmの広軌が採用されています。これは、旧ソ連時代の名残で、他のヨーロッパ諸国とは異なる軌間が採用されています。
スペイン: スペインでは、1668mmと1435mmが採用されています。高速鉄道では標準軌が採用されているものの、在来線は広軌です。

標準軌（1,435 mm）

標準軌は、1435mmのレール間隔を持つ軌間であり、世界の鉄道で最も広く採用されています。ヨーロッパ、北アメリカ、中国など、多くの国や地域で標準軌が採用されており、国際的な相互乗り入れが比較的容易です。

ヨーロッパ: ドイツ、フランス、イギリスなど、多くのヨーロッパ諸国で標準軌が採用されています。これにより、国境を越えた鉄道輸送が円滑に行われています。
北アメリカ: アメリカ合衆国やカナダの鉄道では標準軌が広く採用されています。
中国: 中国の高速鉄道や都市鉄道の多くは、標準軌が採用されています。

狭軌（1,435 mm未満）

狭軌は、標準軌よりもレール間隔が狭い軌間を指し、さらに細かく分類されます。狭軌は、建設コストが安く、急勾配やカーブの多い地形にも対応しやすいという利点があります。

1,067 mm 超、1,435 mm 未満

この範囲の軌間を採用している主な国や地域としては、日本の在来線の一部やインドなどがあります。

日本: 日本の在来線では、1067mmの狭軌が広く採用されています。新幹線は標準軌です。
インド: インドでは、1676mmの広軌と1000mm、762mmの狭軌が混在しています。近年、標準軌の路線が建設されています。

1,067 mm (3 ft 6 in)

この軌間は、南アフリカやインドネシア、オーストラリアの一部などで採用されています。かつては、日本の在来線もこの軌間でした。

南アフリカ: 南アフリカでは、1067mmの軌間が広く採用されています。
インドネシア: インドネシアでは、1067mmの軌間が広く採用されています。
オーストラリア: オーストラリアでは、1067mmの軌間と1600mm、1435mmが混在しています。

1,000 mm 超、1,067 mm 未満

この範囲の軌間を採用している主な国や地域としては、マレーシアなどがあります。

マレーシア: マレーシアでは、1000mmの軌間が採用されています。

1,000 mm（メートル軌間）

1000mmの軌間は「メートル軌間」と呼ばれ、東南アジアや南アメリカの一部の国で採用されています。

タイ: タイでは、1000mmの軌間が広く採用されています。
ベトナム: ベトナムでは、1000mmの軌間が広く採用されています。

579 mm 以上、1,000 mm 未満のナローゲージ

この範囲の軌間は、特にナローゲージと呼ばれ、観光鉄道や一部の産業鉄道で使用されています。

一部の観光鉄道: 世界各地に存在する観光鉄道の中には、この範囲の軌間を採用しているものがあります。

578 mm 以下

ごく一部の特殊な鉄道や遊園地の乗り物などで見られる軌間です。軌間幅が極めて狭いため、輸送能力は低いです。

脚注

注釈

出典

関連項目

軌間: レールとレールの内側の間隔を指します。
広軌: 標準軌よりもレール間隔が広い軌間を指します。
標準軌: 1435mmのレール間隔を持つ軌間を指します。
狭軌: 標準軌よりもレール間隔が狭い軌間を指します。

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