軍事史学会

軍事史学会について

日本における軍事史研究の中心的な存在である軍事史学会（ぐんじしがっかい）は、1936年に設立されました。この学会は、日本国内外における軍事に関する歴史的現象を総括し、学術的に研究するためのプラットフォームを提供しています。終戦後、一度は活動が停止しましたが、1962年に国防史学会として再編され、1965年には再び軍事史学会として活動を始め、現在に至ります。

年次大会と研究活動

この学会では定期的に年次大会や研究会を開き、会員同士の研究成果を発表し合う場を設けています。こうした活動を通じて、会員は独自の研究テーマに取り組み、相互交流を図ることができます。その成果は、季刊誌『軍事史学』として定期的に発行されています。この雑誌では、古代ギリシア・ローマから近現代に至るまで、幅広い時代の軍事史が扱われています。

研究の多様性

近年、『軍事史学』では従来の軍事史に限らず、戦争を題材とした芸術やジェンダー問題など、新たな視点からの研究論文も掲載されています。これにより、軍事というテーマが単なる戦略や戦闘にとどまらず、文化や社会との関連を考察する視点が強調されています。軍事史学会はこうした動きを通じて、「新しい歴史学」の潮流を受け入れ、学術界における自己革新を進めています。

特集号の発行

『軍事史学』においては、特集号も定期的に発行されており、特定のテーマに焦点を当てた研究がまとめられています。例えば、1990年に刊行された特集号「第二次世界大戦――発生と拡大」や、日中戦争や日露戦争に関する特集も大きな注目を集めました。これらの特集号は、特定の歴史的出来事や戦争の分析、文献による検証を行い、読者にとって深い理解を提供します。

資料翻刻活動

また、軍事史学会では旧日本軍に関連する資料の翻刻作業も行っており、その成果として『大本営陸軍部戦争指導班機密戦争日誌』や『元帥畑俊六回顧録』などの重要な文書が公開されています。これにより、歴史研究のための一次資料が整備され、さらなる研究の基礎を築いています。

まとめ

日本の軍事史に関心を持つ研究者や愛好者にとって、軍事史学会は貴重な資源であり、研究の場を提供しています。学術的な知見が高度化する中、多様な研究テーマへのアプローチを可能にするこの学会の活動は、学術界における重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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