軍服 (ドイツ国防軍空軍)

ドイツ空軍の軍服

本稿では、ドイツ国防軍の空軍、いわゆるルフトヴァッフェの軍服について詳述します。そのデザインや製作背景、さらには各階級や職務に応じたユニフォームのスタイルに至るまで、多岐にわたる情報をお伝えいたします。

概要

ドイツの空軍はナチス政権において1935年に新たに設立されました。他の二軍である陸軍と海軍がプロイセンの伝統を受け継ぐのに対し、空軍は当時の国家元帥ヘルマン・ゲーリングの影響が強く、彼の「私軍」としての側面が強調されています。これにより、空軍の軍服はナチスの思想を色濃く反映しており、他のドイツ軍服の伝統には若干の違和感が感じられるものとなっています。そのため、デザイン自体は高く評価され、三軍の中でも洗練された印象を与えるものとされています。

空軍の軍服は、イギリス空軍と共通するブルーグレーを基調としていますが、デザインは時折異なるという特徴があります。具体的には、将校は通常開襟のトゥーフロックを着用し、下士官や兵士は一般的にフリーガーブルーゼを着用します。さらに、特別な夏用制服や熱帯野戦服も存在し、役割に応じた多様性が見て取れます。

主要な軍服のスタイル

トゥーフロック

空軍のデフォルトとなる制服はトゥーフロック（Tuchrock）です。この開襟チュニックは1937年に施行され、4つのボタンやプリーツ付きのポケットが特徴です。大佐以下は銀色、将官は金色のボタンが用いられています。また、ポケットは陸軍の服とは違い波型ではなく、四角形が採用されています。将校が着用する際には、袖に折り返しが付くのがポイントです。

フリーガーブルーゼ

フリーガーブルーゼは特に飛行士が着用する服で、1935年に制定されました。動きやすさを重視し、航空機内でも不便がないようにデザインがされています。この服装はトゥーフロックと同じくブルーグレーの色合いであり、ボタンの前合わせは比翼状になっています。基本的に襟は将校は開襟、下士官は閉じて着用することが多いです。

夏服と礼服

夏服については、特定の期間（4月1日から9月30日）に着用が許可され、白いズボンと靴、そしてデザインがほぼ同一の白いチュニックを着用します。礼服は将官用特別上着であり、特に改まった場面で着用されます。ダブルブレストのチュニックや、美しいパイピングが特徴のこの上着は、空軍将官の重要な制服です。

また、晩餐用の礼服も存在し、これは将校がディナーや公式な場において着用するために特別に設計されたものです。

スペシャルユニフォームと規格帽

空軍には整備員や女性補助員など特定の職務に応じた作業服も用意されています。整備員には黒い作業服、女性補助員にはライトブルーのブラウスとブレザーが支給され、役割に応じて異なるスタイルが反映されています。

また、規格帽についても1943年に支給され、通常の制帽とは異なったデザインが採用されました。特に鷲章が目立つ形となり、空軍独自のスタイルが強調されています。

降下猟兵の軍装

ドイツ空軍には降下猟兵部隊が存在し、彼らも特殊な軍服を着用しています。スモックや降下用ズボン、独特なシュタールヘルムが支給され、空挺任務に特化した装備が整えられています。この特殊な軍服のデザインは、降下する際に装備品が絡まらないよう工夫されており、そのスタイルは非常に機能的です。

結論

まとめると、ドイツ空軍の軍服はそのデザインと機能性から、多くの評価を受けています。特に、階級や役割に応じたバラエティに富んだ制服が、軍全体のシンボルとしての魅力を増しています。それゆえに、歴史的背景を持つこの軍服は、戦争の文脈の中でも特異な存在となっています。

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