軍服 (大日本帝国海軍)

旧日本海軍の制服の変遷

この記事では、明治維新後の日本海軍における制服の歴史を詳しく解説します。1880年代の初期から1945年までの様々な制服は、海軍の発展と変遷を反映しています。特に、イギリス海軍の影響が強かった初期の服制から、大正、昭和を通じての革新と変化に焦点を当てます。

海軍服制の設立

明治3年の海軍設立以降、最初の海軍の制服は、当初はイギリス海軍の服装モデルに基づいていました。1870年12月22日には、太政官布告による海軍服制が定められ、常服が制定されます。夏服や正服、礼服といった制服の種類も次第に整備されていきました。

服制の改正と詳細

時代が進むにつれて、制服の規格はたびたび見直されました。特に、周囲の環境に適応するための夏服や正装の制定が進められ、明治20年には濃紺の士官用常服が採用されました。また、1914年に施行された海軍服装令では、服装規則が一層整備され、制服のシステム化が図られました。

大正時代の服装

大正時代には、海軍服制が全面的に見直されました。この時期には新しい服装が定められ、特に1914年の改正で海軍服装令が登場します。これにより、士官や下士官の服装に新たな規則が加わり、軍刀の着用が義務づけられました。また、戦闘帽の制度も制定され、服装の多様化が進みます。

昭和時代の革新

昭和に入ると、軍勢の急激な拡大と戦争の激化に伴い、制服の変化はさらに進展しました。1937年には、士官服制に軍刀を新たに追加し、戦闘帽や略服などが制定されます。また、1942年から1943年にかけて、制服のデザインや分類がさらに明確化されるとともに、物資の制約から特別な規則が設立されます。

制服の具体的な構成

海軍士官の制服は、正式な儀礼服装や通常の勤務服に分かれ、各種の着用品が厳格に規定されました。例えば、正帽、正衣、正肩章、袴、剣帯、長剣、黒革製短靴、白手袋など。このように、海軍の制服は厳格な規則のもと形作られ、多くの士官たちがその服装を誇りとし、海上での任務に従事しました。

海軍士官の正装

正装では、立襟燕尾服が重要な儀礼服として位置づけられ、服装の厳格さが表現されました。礼装にあたるこれらの服装は、高い地位を有する士官のみが着用し、その姿勢や儀礼に対する敬意を示すものでした。

結末: 服制の終焉

1945年に至り、日本海軍は解体され、その制服制度も消滅しました。この歴史の終わりをもって、海軍制服の長い歴史が一つの幕を閉じることになりました。日本海軍の制服は、単なる衣服であるだけでなく、当時の時代背景や軍人たちの誇り、そして歴史の一部を形成していたのです。

もう一度検索