軍用機の命名規則 (日本)

日本軍と自衛隊の軍用機の命名規則について

本稿では、日本の自衛隊と大日本帝国陸海軍の軍用機における命名規則の具体的な内容を詳しく見ていきます。日本の軍用機がどのように命名され、どのような規則に基づいているのかを理解することで、それぞれの機体の役割や特徴についての理解を深められるでしょう。

自衛隊の軍用機の命名規則

自衛隊が使用する軍用機の命名規則は、1974年に制定された防装航第1725号を基にしています。その後、何度かの改正を経て、2019年には防装庁の規定（防装庁（事）第31号）が適用されており、その基本的な枠組みはアメリカ合衆国の軍用機における命名規則（MDS）に類似しています。これには、記号と数字の組み合わせ方に関する法則性が含まれています。

自衛隊機の構成要素

自衛隊の軍用機の形式名は、以下の要素から成り立っています:
1. 基本任務記号 － 当該機の開発時に意図された任務を示す記号。
2. 変更任務記号 － 改造後の新しい用途を示す。
3. 設計または採用番号 － 開発段階や調達に基づく番号。
4. 設計変更記号 － 既存航空機の設計変更を表す。

基本任務記号には、輸送や戦闘、偵察など様々な任務があり、具体的にはC（輸送機）、F（戦闘機）、R（偵察機）などが用意されています。変更任務記号は、基本任務記号の前に新たな記号を加え、場合によっては新しい機種名が付されることもあります。

設計番号の付与

設計または採用番号は、基本任務記号に基づく要目や調達仕様書が決定した順に与えられます。この番号は、特に防衛省管轄下での開発機の場合、若い番号から付与されますが、国外で開発された機体に対してはこの規則が適用されないこともあります。

設計変更記号

設計変更記号は、既に命名された機体に不可避な設計変更が行われた際に付与され、変更の時期に応じたアルファベットで表されます。ただし、この場合に用いられるアルファベットの中には、IやOなど、特定の文字が使用されません。これは、混乱を避けるための取り決めです。

その他特記すべき点

自衛隊機には、開発段階にある事を示す記号や、特定の航空機分類を示す記号もあり、これにより回転翼機や飛行艇といった特殊な機体を識別することができます。また、国外開発機を採用する際には、命名規則に基づかず、原則に従わせることなく、開発国が定めた記号や番号をそのまま流用することも認められています。

大日本帝国海軍の命名規則

旧日本海軍はアメリカ海軍と似た略符号を採用しており、機体記号、計画番号、設計会社記号、改修型を表す数字から成っていました。例えば、「G4M1」は一式陸上攻撃機の一型を示しており、末尾に小文字を加えることで改修型を表していました。また、改修が多岐にわたると、ハイフンとともに次の機種名が付与されることもありました。

このように、日本の自衛隊と大日本帝国の軍用機にはそれぞれ特徴的な命名規則が定められており、航空機の識別と情報共有において非常に重要な役割を果たしています。命名規則を理解することで、過去の戦歴や機体の性能をより深く知ることができるでしょう。

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