一式陸上攻撃機

一式陸上攻撃機（G4M）

一式陸上攻撃機（いっしきりくじょうこうげきき）は、大日本帝国海軍の陸上攻撃機であり、略して「一式陸攻」とも称されます。この機体は、連合国側では「Betty」というコードネームで知られ、三菱重工業によって設計・製造されました。主に中国事変や太平洋戦争で日本海軍の主要な攻撃機として運用されました。

特徴と設計の背景

aerodynamic特性

一式陸上攻撃機は、その特徴として大直径の胴体内部に爆弾や魚雷を搭載し、空気抵抗を大きく減少させました。具体的には、主翼の内側にインテグラルタンクを配置することで、航続距離を4,000 km以上に延ばしたことが挙げられます。また、空気力学的な形状により、運動性が軽快であり、特に大型の双発機としては優れた操縦性を持っていました。

機体設計

九六式陸攻の胴体が細く設計されていたため、爆弾倉の設置が困難でしたが、一式陸攻では形状を太くして改良された結果、爆弾を収納するスペースを確保しました。設計においては、空技廠のデータが考慮され、最も太い部分で幅2メートル、高さ2.5メートルの楕円断面を持つ形状が採用されました。

主翼は薄翼でアスペクト比8を持っており、テーパー比は1:4です。これにより、重心を考慮しつつ燃料タンクを主翼内に配置し、航続距離の向上が図られました。

エンジンと防御力

機体には大馬力の「火星」エンジンが搭載され、功率を最大限に引き出すための設計が行われました。ただし、防護策に関しては搭乗員や燃料タンクに対する防弾対策が不十分だったため、大戦後期にはこの点が問題視されました。さらに、機首銃座の設置や尾部への20mm機銃の装備など防御が強化されましたが、依然として危険が伴う運用でした。

戦争での運用

一式陸上攻撃機は1941年の制式採用後、早くもその年の7月に実戦投入されました。主に南太平洋方面や連合軍に対しての作戦に従事し、爆撃を行いながらも、敵機からの攻撃にさらされ続けました。特に、初期の段階では零戦との連携によって高い戦果を上げましたが、次第に連合軍の防空網が強化され、この機体の損失が増大しました。

終戦とその後

戦争末期には特攻兵器「桜花」の母機としても使用されましたが、搭載した際の性能低下や護衛機不足により、多くの損失を被りました。終戦時には軍使の機体として使用され、その後の歴史では「一式陸攻」は航空機史において重要な役割を果たしました。

さまざまな型式と改良がある中で、一式陸上攻撃機は日本の航空機技術の象徴とされ、その運用歴は今もなお語り継がれています。

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