転校生 (映画)

映画『転校生』について

概要

『転校生』（てんこうせい）は1982年に公開された日本の青春映画です。本作は、山中恒による児童文学『おれがあいつであいつがおれで』を原作としており、大林宣彦が監督を務めました。映画は、広島県尾道を舞台にした、男女の中学生が身体と心が入れ替わってしまうというユニークなストーリーを描いています。主演は尾美としのりと小林聡美がおり、いわゆる「尾道三部作」の一部として位置付けられる重要な作品です。

物語のあらすじ

物語は、明るくてクラスの人気者である斉藤一夫に、幼馴染の斉藤一美が転校してくるところから始まります。彼らは学校の帰り道に偶然転げ落ち、大きな事故によって身体が入れ替わることになります。一夫の体には一美の心が、一美の体には一夫の心が入ってしまい、二人は互いに相手の生活を送らなければならなくなります。

当初、二人はお互いに戸惑いながらも相手に成り切ることを決意しますが、男としての生活に女性としての心、一方で女性としての生活に男性としての心が入ることで、それぞれに苦労と成長を遂げていく様子が描かれます。そんな中、一美の元カレである山本弘が訪ねてくることになり、二人は一美の恋を応援することに。しかし、事態は進展を迎え、一夫の父の転勤によって横浜に引っ越すことが決まります。

制作背景

1980年の夏、脚本家・剣持亘が原作に深く感銘を受け、映画化を提案しました。監督の大林宣彦は故郷である尾道をロケ地に選び、登場人物の年齢を小学生から中学生に引き上げることを決定しました。オーディションを経て、尾美としのりと小林聡美が主役に抜擢され、苦労しながらも撮影が進行したのです。

制作費や出資の確保には非常に苦労したとされ、特にサンリオが出資を撤回した際には、映画制作が頓挫しかけましたが、ATGからの救済で無事に製作が続行されました。尾道での撮影には地元の協力が厚く、CABの駅や神社周辺、商店街など、地元の風景が多く映し出されています。

評価

公開後、本作は地味ながらも高い評価を得ました。特に『キネマ旬報』では1980年代の日本[[映画]]で高評価を受け、後に様々なメディアで放送されることになります。『転校生』は日本の青春映画としての地位を確立し、尾道を観光地として知らしめるきっかけとなりました。

影響とその後

『転校生』の成功は、以降の日本[[映画]]やテレビドラマに多大な影響を与え、男女の入れ替わりというテーマが広まりました。2007年にはリメイク作『転校生-さよなら あなた-』が制作され、大林監督が再び手がけています。

まとめ

『転校生』は、身体が入れ替わるというファンタジー的な要素を通じて、人間関係の複雑さや成長を描いた作品です。大林監督の独特の視点と演出が印象的で、今なお多くの人に愛され続ける名作となっています。

もう一度検索