転法輪寺 (御所市)

転法輪寺の歴史と信仰

概要

転法輪寺（てんぽうりんじ）は、奈良県御所市高天に位置する真言宗醍醐派の大本山であり、葛城修験道の根本道場でもあります。寺紋は三つ紅葉で、地域に深い信仰と文化を根付かせてきました。

由来

この寺院の創建は、伝説によると修験道の開祖とされる役小角が16歳の時に金剛山に登り、修行を重ねた結果、天智天皇4年（665年）に祖神である一言主大神を鎮守として法起大菩薩を祀る金剛山寺が建立されたとされています。この時より、金剛山寺は神仏習合の霊山として知られるようになりました。奈良時代から明治維新に至るまで、修験道の七高山の1つとして位置づけられ、多くの歴代天皇がここで祈願を捧げました。

また、著名な僧侶である行基や鑑真、最澄もこの山を訪れ、聖宝もここで修行したと記録されています。その後、鎌倉時代末には楠木正成がわずか500の兵で千早城を守り、金剛山寺の修験勢力からの支援を得ながら、当時の大軍を寄せ付けなかったという伝説も残されています。

神仏分離・廃仏毀釈

明治元年、神仏判然令により、神道と仏教が分離され、一言主大神を祭る葛木神社のみが残されました。その結果、転法輪寺は廃寺となってしまいました。こうした歴史的な出来事は、日本の宗教文化に大きな影響を及ぼしました。

昭和の再興

昭和になり、地元の金剛山講が転法輪寺の復興を強く要望しました。日本国憲法の信仰の自由を背景に、宗教学識経験者やマスコミなど多くの関係者の意見をまとめて、1950年には役行者1250年の御遠忌を契機に転法輪寺が再興されました。この際、金剛山の古来の伝統、神仏混淆の旧態へと復され、真言宗醍醐派に属する大本山としての地位が確立されました。本堂は1961年に再建され、地域社会とともにその信仰を再生していきました。

アクセス

転法輪寺へのアクセスは、2019年3月以降、金剛山ロープウェイが休止となったため、登山を通じて訪れる方法のみが残されました。最も一般的なアクセスルートは、南海バスおよび千早赤阪村バスの金剛登山口バス停からの「千早本道ルート」であり、他にも多くの登山ルートが存在します。

結論

転法輪寺は、奈良県における重要な信仰の拠点として、長い歴史とともに多くの人々に支えられてきました。現在では、地域の文化や信仰を象徴する存在として、その魅力が再評価されています。

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