輝北天球館

輝北天球館について

輝北天球館は、鹿児島県鹿屋市輝北町市成の輝北うわば公園内に位置する、鹿屋市立の天体観測施設です。この施設は、単なる観測施設にとどまらず、地域コミュニティの活性化と、宇宙への興味を深める場としての役割を担っています。

設立の背景

1995年8月10日、輝北天球館は旧輝北町によって開設されました。きっかけは、旧輝北町が環境庁（当時）の星空継続観察で、四季連続日本一を達成したことでした。この素晴らしい星空を記念し、地域の人々が星に親しむことができるようにと、この施設が誕生しました。

館の名前は、一般公募によって決定され、千葉県の男性が応募したものが採用されています。当初は、町の外郭団体である輝北上場公園管理公社によって運営されていましたが、2000年に財団法人輝北上場公園まちづくり公社に移管されました。その後、2003年には、施設の管理運営を行う専従職員が削減され、館長1名体制となりました。

設立当初と現在の状況

開館当初の1995年度には、半年で約2万9,000人が来館しましたが、1999年度には約1万1,000人にまで減少しています。現在、施設は「もうけ」を追求するのではなく、教育文化施設としての存在意義が求められています。しかしながら、現在でも国内外から注目を集め、様々な分野に影響を与え続けています。

建築コンセプト

輝北天球館は、過疎高齢化が進む地域を「星空の美しい町」として世界に発信するという目的を持っています。この建築は、高原の持つ土地の精神性と融合して宇宙への想像を喚起し、広域に存在する聖地と共鳴するように設計されています。地域コミュニティの活性化と交流を願って造られたこの施設は、建築と土地が持つエネルギーを宇宙へと開かせます。建物全体のダイナミックな流れの中に、建築や人の存在を位置づけ、建築と宇宙のシステムを共振させることを目指しています。

建築空間を通して、人間と土地のエネルギーを絶えず交感させることで、人々が自己の内奥へと意識を向け、精神の最も深い場所である宇宙の起源へと緩やかに戻ることができる空間を創り出すことが意図されています。球体上のフォルムは「ゼロフォルム」と名付けられ、ゼロの空間、原点への回帰を象徴しています。この施設は、人間の奥に潜む無意識の世界へと潜行していくという意識を、中心テーマとして表現しています。

施設概要

輝北天球館は、鉄筋コンクリート四階建て、延べ床面積430平方メートルの建物です。鹿児島県最大の65センチカセグレン式反射望遠鏡を備えており、総工費は約5億6,000万円でした。標高約550メートルの高地に設置されており、鹿児島市在住の建築家、高崎正治氏が設計しました。ラグビーボールのような形をした特徴的な外観は、脇へ飛び出した空間が特徴です。この設計は、農耕武士の郷である高崎集落が設計したことが評価され、1996年度の日本建築家協会新人賞を受賞しています。

アクセス

原則として、公共交通機関はなく、自動車でのアクセスのみとなります。

• - 鹿児島市街地から国道10号牧之原経由で約90分
• - 鹿児島市街地から鴨池・垂水フェリーで垂水港下船後、高峠経由で約90分
• - 鹿屋市街地から約30分

所在地

鹿児島県鹿屋市輝北町市成1660-3

関連リンク

• - 輝北うわば公園ホームページ
• - 輝北天球館のご案内

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