輝板

輝板（タペタム）についての徹底解説

輝板（きばん、英: tapetum）は、脊椎動物の中でも特に夜行性の動物や、視界が悪い環境に生息する生物たちに存在する重要な構造物です。これは、網膜の後ろに位置する反射板であり、光の再利用を通じて視覚機能を向上させる役割を果たします。輝板はその金属光沢から「輝膜」とも呼ばれ、英語ではタペタム（またはタペータム）として知られています。

輝板の機能

輝板の主な作用は、網膜によって受け取られた光を再度反射し、光受容体に再び到達させることです。このことにより、薄暗い環境でも視覚が得られ、動物が効率的に周囲を認識する助けになります。そのため、輝板は特に夜行性動物や微弱な光条件に適応した生物に見られます。

輝板の種類

輝板はその構造によっていくつかの種類に分けられます。主なものは次の通りです。
1. 網膜輝板（retinal tapetum）：硬骨魚類や有袋類、オオコウモリなどに見られます。
2. 脈絡膜グアニン輝板（choroidal guanine tapetum）：軟骨魚類に特有の構造です。
3. 脈絡膜細胞性輝板（choroidal tapetum cellulosum）：肉食動物やげっ歯類、鯨類に存在します。
4. 脈絡膜線維性輝板（choroidal tapetum fibrosum）：ウシやヒツジ、ヤギ、ウマ等に見られるタイプです。

特に深海魚の目の構造には興味深い特徴があり、網膜の桿体層の後ろに存在する色素上皮や脈絡膜が、金属のような光沢を持つ結晶を有しています。これにより、暗闇の視界を補完する役割を担っています。

細胞性輝板と線維性輝板

輝板は細胞性と線維性の二つの主なタイプに分かれます。

細胞性輝板

細胞性輝板は、輝板細胞が層を形成した構造であり、肉食獣や鯨類、原猿類に見られます。例えば、夜に猫の目が光って見えるのは、この細胞性輝板のおかげです。この輝板には亜鉛とシステインの複合体からなる結晶が含まれていますが、特定の薬剤により色が変わったり、光の反射率が低下することがあります。

線維性輝板

線維性輝板は、有蹄類に見られ、膠原線維（コラーゲン繊維）で構成されています。ここでも光が再び網膜に反射し、視神経を刺激します。

脊椎動物以外の輝板

面白いことに、脊椎動物ではない生物、特にクモの中にも輝板を持つ種類が存在します。これらの輝板は3つのタイプに分けられ、それぞれ異なる構造を持っています。

• - Primitive type: 網膜の後ろに基本的な反射膜が存在するタイプ。
• - カヌー型: 神経線維の間を隔てる2枚の外側壁を持つタイプ。
• - 格子型: 格子状の反射板が形成されるタイプ。

まとめ

輝板は、特に暗い環境での視覚能力を高めるために進化した重要な特徴です。さまざまな動物に見られるその構造や機能は、生物の適応の一端を示しています。輝板によって光を効率的に利用することで、それぞれの生物が生き残りを図っているのです。

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