輸送艇2号

輸送艇2号の艦歴

輸送艇2号（JS LC No.2、LC-2002）は、海上自衛隊に属する輸送艇であり、輸送艇1号型の2番艇です。本稿では、この艦艇の艦歴について詳しく解説します。輸送艇の性能や装備については、別途輸送艇1号型に関する資料をご覧ください。

起工から就役まで

輸送艇2号は、1991年5月17日に佐世保重工業の造船所で起工されました。これは61中期防の一環として計画されたもので、艦艇番号は2002号です。進水は同年の10月7日に行われ、翌1992年3月11日に正式に就役しました。その際、横須賀地方隊に編入されました。

災害派遣の任務

輸送艇2号は、2000年2月25日から2001年1月19日までの間、東京都三宅村で発生した雄山噴火に伴う災害派遣に従事しました。この期間中、艦艇は被災地における物資の輸送や支援活動を行い、多くの人々に貢献しました。さらに、2011年の東日本大震災では、6月1日から4日まで気仙沼港を拠点にし、被災地への物資輸送を行いました。このような任務は、輸送艇2号の重要な役割を示しており、地域への迅速な支援が求められる際にその能力を発揮しています。

組織改編の経緯

2017年4月3日、横須賀地方隊における部隊改編が行われ、輸送艇2号は横須賀地方隊直轄から横須賀警備隊の所属へ変更されました。これにより、艦の運用に新たな方向性が示され、より効率的な任務遂行が期待されました。

ロービジ塗装への変更

2021年には、輸送艇2号の外観が変更され、ロービジ塗装が施されました。この塗装変更は、特に視認性を低下させることで、敵からの発見を難しくする目的があります。具体的には、煙突の頂部にあった汚れを目立たなくするための黒帯が廃止されたほか、艦番号や艦名が灰色に変更され、影を持たないデザインとされました。また、対空表示として艦番号下2桁を表示するための塗装も消去され、より隠密性の高い外観となっています。

まとめ

輸送艇2号は、海上自衛隊の輸送艦として数多くの重要な役割を担ってきました。災害派遣や物資輸送による地域貢献、組織改編による効率的な運用、そしてロービジ塗装による安全性向上など、その運用は多岐にわたります。今後もこの艦艇が、様々な任務を通じて日本の海上防衛に寄与していくことが期待されています。

参考文献

• - 石橋孝夫 編著『海上自衛隊全艦船 1952-2002』並木書房 2002年
• - 『JShips2021年10月号』イカロス出版 2021年
• - 阿部安雄、中名生正己、津田義憲、多田智彦、ほか「海上自衛隊全艦艇史　世界の艦船 増刊第66集」海人社 2004年

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