輸送艇1号

輸送艇1号の艦歴と活動概要

輸送艇1号（JS LC No.1）は、海上自衛隊の保有する輸送艇のひとつで、輸送艇1号型の最初の艦艇です。1987年に建造が開始されたこの艇は、主に物資や人員の輸送を目的とし、海上での機動力を重視した設計がされています。この艇の艦歴や重要な活動を辿ることで、海上自衛隊の輸送任務における重要性が浮かび上がります。

起工から就役まで

輸送艇1号は、1987年5月11日に佐世保重工業で起工され、同年10月9日に進水しました。1988年3月17日には正式に就役し、その後、佐世保地方隊に編入されます。これは、日本の防衛力を高めるための重要な一歩となりました。輸送艇1号は、主に物資や人員の迅速な輸送を行う役割を果たし、災害時などの緊急時には特にその活躍が期待されました。

部隊編成の変遷

2017年4月3日、輸送艇1号は佐世保地方隊から佐世保警備隊隷下に編成替えされました。この変更は、陸上自衛隊や海上自衛隊の部隊編成が見直される中で行われたもので、輸送艇の運用体系がより柔軟に対応できるよう意図されています。

実施した訓練と演習

輸送艇1号は、数多くの訓練や演習に参加し、その能力を高めてきました。特に、2017年9月には長崎県原子力防災訓練の一環として、芦辺港から博多港への避難訓練を実施。これは、実際の避難シナリオを想定した非常に重要な訓練でした。

2021年11月19日には、令和3年度自衛隊統合演習において、石垣港への車両輸送を行いました。陸上自衛隊のトラック1台を輸送するこの演習では、民間港を利用するという新しい試みがあり、沖縄県内での初のケースとなりました。

最後の航海と除籍

2022年4月7日、輸送艇1号は除籍されました。総航程は約167,116海里（nm）に達し、この数字は地球を約7.7周分に相当します。長い間にわたり、海上自衛隊の重要な任務を支えた輸送艇1号の活動は、多くの人々の記憶に残ることとなるでしょう。

歴代艇長

輸送艇1号は、多くの艇長のもとで運営されてきました。彼らはそれぞれの時代において艇の運用を指揮し、艦の歴史を積み重ねてきました。これにより、輸送艇1号は海上自衛隊の一員としての役割を確立し続けました。

参考文献

• - 石橋孝夫編著『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 阿部安雄、中名生正己、津田義憲、多田智彦ほか『海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）

輸送艇1号の艦歴は、日本の海上自衛隊の輸送能力の象徴とも言えるものであり、その活動は今後も語り継がれることでしょう。

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