辰巳町 (名古屋市中区)

辰巳町（たつみちょう）は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。この町は、名古屋城下町の東に続く町の一つとして、その歴史を刻みました。地理的には、建中寺の南に位置し、車道筋の西側、水筒先筋の南端にあたります。

町名の由来

辰巳町という名前は、名古屋城から見て南東の方角、つまり「辰巳」の方角に位置することに由来しています。この方角を示す名称が、そのまま町の名前として採用されました。

歴史

辰巳町の歴史は、1715年（正徳5年）に始まります。当時、法華寺の隠居所として使われていた土地を、東田町に住む米屋の八左衛門が開発しました。これが辰巳町の始まりです。

その後、1878年（明治11年）12月20日には、名古屋区辰巳町として正式にその名が記録されました。さらに、1889年（明治22年）10月1日、名古屋市の成立に伴い、名古屋市辰巳町となりました。

しかし、辰巳町の歴史はここで終わりません。1907年（明治40年）7月15日には、町の大半が新栄町に編入され、その姿を大きく変えました。その後、1908年（明治41年）4月1日には、東区の成立に伴い、同区辰巳町として再編されます。

そして、1935年（昭和10年）10月2日、辰巳町はその歴史に幕を閉じます。この日、中区新栄町に編入され、辰巳町という地名は地図から消えることとなりました。

参考資料

この記述は、以下の文献を参考に作成されました。

福岡清彦『中区の町名』名古屋市中区役所、1976年。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連情報

* 名古屋市の地名

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