農村交流施設 森の巣箱

農村交流施設『森の巣箱』：過疎地域活性化のモデルケース

高知県高岡郡津野町貝ノ川床鍋という、人口約70人の小さな集落に位置する『森の巣箱』。この施設は、集落住民の手によって運営される複合商業施設であり、過疎化が進む地域において、生活の維持・向上、そして地域活性化に大きく貢献しています。

かつては小学校として利用されていた建物を改修し、現在では、集落コンビニ、飲食店、宿泊施設、そして温泉と、多様な機能を備えた複合施設として生まれ変わっています。集落住民にとって唯一の商業施設であるため、日々の生活必需品の調達から、地域住民同士の交流の場、そして観光客向けの宿泊施設としての役割まで、幅広く担っています。

施設概要

『森の巣箱』は、大きく分けて以下の施設で構成されています。

森のおみせ: 1階にある集落コンビニと居酒屋が一体となったスペース。地元産の農産物や加工品などが販売され、夜には居酒屋として地域住民や観光客が集まる交流の場となっています。近隣の住民にとってなくてはならない存在であり、気軽に立ち寄れる憩いの空間を提供しています。
もうちょっと de 温泉: 地域住民や観光客が利用できる温浴施設です。日々の疲れを癒やすだけでなく、地域住民の健康増進にも貢献しています。温泉につかりながら、地域の人々と交流する機会も提供しています。
宿泊施設: 2階には6室の客室があり、観光客向けの宿泊施設として機能しています。地域の自然や文化に触れたい観光客にとって、快適な滞在を提供することで、地域の観光振興にも貢献しています。
やまがらホール: 校舎裏手に位置する旧講堂。集落のイベントや会議などに利用され、地域住民の交流や共同作業の場として活用されています。

廃校舎の再生と地域活性化

『森の巣箱』の設立は、1984年の床鍋小学校閉校を機に始まりました。閉校後の廃校舎の活用策を検討する中で、集落活性化プランが策定され、2003年に『森の巣箱』が開業しました。この取り組みは、廃校舎を有効活用した地域活性化の成功例として、全国的に注目を集めています。

2007年には、森の巣箱運営委員会が『過疎地域自立活性化優良事例』として総務大臣賞を受賞。これは、地域住民の創意工夫と熱意によって、過疎地域においても自立的な発展が可能なことを示す、大きな成果と言えます。

まとめ

『森の巣箱』は、過疎化が進む地域において、住民の生活を支え、地域を活性化させるための、優れたモデルケースとなっています。廃校舎の有効活用、住民による自主運営、そして多様な機能の複合化という、三つの要素が相乗効果を生み出し、成功に繋がっています。この取り組みは、同様の課題を抱える他の地域にとっても、貴重な示唆を与えてくれるでしょう。

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