農業者研修教育施設

農業者研修教育施設

農業者研修教育施設は、農業改良助長法に基づき、協同農業普及事業の一環として設置されている施設です。主な目的は、これからの農業を担う人材に対し、近代的な農業経営や農村生活の改善に必要な科学的な技術と知識を習得させることにあります。

多様な形態の研修教育機関

農業者研修教育施設は、農業大学校、専修学校、職業訓練校、研修施設など、様々な形態で全国に展開されています。

1. 道府県農業大学校

全国42道府県には、農業大学校という名称で道府県立の農業者研修教育施設が設置・運営されています。これらの大学校では、主に以下の部門が設けられています。

養成部門: 就農意欲のある高校卒業程度の若者を対象とした2年間の全寮制課程が一般的です。農業の基礎から応用まで、幅広く学ぶことができます。
研究部門: 養成部門の卒業生や短大卒業生などを対象に、より高度な教育を行う課程です。修業年限は1〜2年で、「研究科」や「研究課程」といった名称が用いられます。
研修部門: 生涯教育の一環として、短期の研修プログラムを提供します。現役の農業者などが、新しい技術や知識を習得する機会となります。

農業大学校は、一般的な大学とは異なり学位は授与されません。しかし、近年では多くの農業大学校の養成部門が専修学校（専門課程）に転換されており、卒業生には専門士の称号が付与されるとともに、4年制大学への編入学や公務員試験の受験資格が得られるようになっています。

2. その他の研修教育機関

農業大学校以外にも、様々な研修教育機関が存在します。

専修学校: 北海道農業専門学校や鯉淵学園農業栄養専門学校など、専門的な知識や技術を学ぶことができる学校があります。
職業訓練校: たからべ森の学校（農業人材育成科）など、就農に必要な実践的なスキルを習得できるコースがあります。
研修施設: 北海道立総合研究機構 花・野菜技術センターや秋田県農業研修センターなど、特定の分野に特化した研修プログラムを提供しています。また、トマトパークアカデミーやチバニアン兼業農学校のように、ユニークなコンセプトを持つ研修施設も存在します。

幅広い学習機会

これらの施設では、農業技術だけでなく、経営、情報化、環境保全など、幅広い分野を学ぶことができます。また、アグリイノベーション大学校やアグリベンチャー大学校のように、オンラインで受講できるプログラムも提供されています。これらの施設は、新規就農者だけでなく、すでに農業に従事している方々にとっても、スキルアップや経営改善のための貴重な学習機会となっています。

農業者研修教育施設は、日本の農業を支える人材育成に不可欠な存在です。それぞれの施設が特色あるプログラムを提供し、地域農業の発展に貢献しています。

関連項目

農業者大学校'>農業者大学校

外部リンク

農大グループの仲間たち（農業者大学校）
* 農業大学校協議会'>全国農業大学校協議会

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