辻勲

辻勲（つじ いさお）

辻勲は、日本の料理界において多大な足跡を残した人物です。彼は料理人としてだけでなく、西洋料理の研究者、教育者、そして編集者としても活躍しました。彼の功績は、日本の食文化の発展に大きく貢献しています。

生涯

1923年7月15日、大阪府大阪市に生まれた辻勲は、1943年に岐阜高等農業学校を卒業後、父親が経営する日本割烹学校栄養食品科で教鞭を執り始めました。しかし、同年中に陸軍に召集され、主計将校として第二次世界大戦に従軍。戦後、1946年に日本割烹学校栄養食品科の教授、そして科長に就任すると同時に、月刊誌『家庭と料理』の編集局長も兼務しました。

1952年には、スイス政府主催の国際芸術料理コンクール（ホスペス展）でグランプリを獲得し、その才能を国際的に認められました。1959年には、日本調理師学校（現在の辻学園調理・製菓専門学校）を創立し、校長として多くの料理人を育成しました。1970年には全国料理学校協会理事長、後に会長を務めたほか、全国調理師養成施設協会名誉会長、全国料理技術検定協会会長なども歴任し、料理教育の発展に尽力しました。

2003年9月13日、その生涯を閉じました。

功績

辻勲の最大の功績は、料理人の育成に力を注いだことでしょう。彼が創立した辻学園調理・製菓専門学校からは、数多くの優秀な料理人が輩出され、日本の食文化を支える人材となりました。また、彼は西洋料理の研究にも熱心であり、その知識を活かして多くの著作を出版しました。これらの著作は、一般家庭の料理にも大きな影響を与え、日本の食文化の向上に貢献しました。

受賞・著書

受賞歴

1952年：スイス政府主催国際芸術料理コンクール（ホスペス展）グランプリ
1975年：フランス政府よりパルム・アカデミック騎士勲章
1983年：藍綬褒章
1996年：勲四等旭日小綬章
1999年：フランス農事功労章

主な著書

『おふくろの味』
『日本料理』
『西洋料理』
『中国料理』
『フライパン料理』(ひかりのくにファミリー・シリーズ) ひかりのくに 1960年
『オードブルとつきだし』
『野菜のおかず』
『魚のおかず』（家庭百科） ひかりのくに昭和出版 1960年
『家庭料理全書』 婦人画報社 1965年

辻勲は、日本の料理界に多大な貢献をした人物として、今後も語り継がれていくことでしょう。

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